RSS

中国:18年の都市化率は60%へ、住宅高騰が農民の都市移住を阻む=社科院

2013年12月29日(日) 13時26分(タイ時間)
【中国】国務院直属シンクタンクの中国社会科学院(社科院)は26日、「2014年中国社会情勢分析・予測」と題するリポートを発表し、中国の都市化率が13年末に54%を超えるとの概算を明らかにした。現在の上昇ピッチが続けば、この比率は18年に60%まで上昇すると予想している。

 一方で、高齢化や住宅価格の高騰が農民工(地方からの出稼ぎ労働者)の都市移住を阻む問題となっていると指摘。「頂層設計」(従来は地方政府や各政府部門に委ねていた政策策定を、中央政府上層部が統括的に策定すること)が非常に重要になると報告した。

 社科院の李培林・副院長によると、中国の農業人口はなお3億人以上存在する。政府が国内耕地面積に対して定める18億ムー(約1億2000万ヘクタール)のレッドラインに基づけば、必要な農業人口はわずか1億人に過ぎない。残り2億人は余剰人口となる。しかもそのうちの多くは年齢が40歳を超えており、まもなく非労働人口に変わる。年齢、体力などの競争面でも、都市部の就職で非常に高いハードルに阻まれているという。

 これに追い打ちをかけるのが、上昇を続ける都市部の住宅価格だ。社科院のリポートによれば、農民工の収入は増加傾向にあるものの、住宅賃貸価格や食品価格の上昇などがこれを相殺。都市部の生活コストが重い負担として彼らにのしかかっている現状がある。

 農民工が住宅を購入し、都市部に永住しようとすれば、不動産価格による制約はさらに増大する。都市部の住宅価格が、労働者の収入でやりくりできる許容範囲をはるかに超える水準に高騰しているため。全国主要70都市の13年9月・新築住宅価格は、前年同月比で下落した都市が1市(温州)にとどまった。値上がりした69都市のうち、上昇幅が10%以上を超えたのは13都市。北京、上海、広州の三大都市の上昇幅はそれぞれ20.6%、20.4%、20.2%と軒並み2割を超えた。

 この問題の解決策の一つとして考えられているのが、「ローカル都市化」の推進。農民工を含むより多くの人を中小都市へと分散させることを狙った政策だ。「ローカル都市化」を発展させることによって、中小都市と大都市での生活コストと就業機会の開きを解決することを目指すものとなる。しかし足元では、大都市の戸籍取得を希望する農民工が絶対多数を占めるとの調査結果が報告された。中小都市戸籍の取得を希望する人はわずか20%程度にとどまるという。

 社科院・社会学研究所の張翼・副所長は、「都市化の道筋を付ける『頂層設計』がなお非常に重要だ」と発言。中央政府上層部がトップダウンで都市化を進めていく体制が必要であると強調した。
《亜州IR株式会社》

注目ニュース

【中国】中央政府の大号令の下、「都市化」が大々的に進められる中国で、都市戸籍を取得した農村出身者が農村戸籍に戻すよう希望するなどといった「逆流」現象が一部の都市で起きている。



新着PR情報