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中国:超高齢者社会へ、現役世代1人で高齢者4~6人支える=杭州市

2014年1月16日(木) 13時37分(タイ時間)
【中国】浙江省で高齢化が加速している。高齢化問題が地域経済にも影響し始めている現状がある。

 省都の杭州市は、2008年に域内総生産(GDP)が6000米ドルを初めて突破、率先して工業化の道を歩み、急成長を果たした。しかし足元では、経済成長を支えた生産年齢人口が減少。高齢者の割合が増え、成長率は下降に転じた。今後5年以内に、「1人っ子政策」第1世代の両親が60歳を迎え、続々と高齢者の仲間入りをすることから、同市では現役世代1人が4~6人の高齢者を支える超高齢者社会に突入すると予想される。生活が豊かになる前に老いてゆく「未富先老」が訪れる見通しだ。

 同省社会科学院が発表した「2014年浙江藍皮書(白書)」によると、2012年に63.2%に達した浙江省の都市化率は、2013年末には64%前後に達する見込みだ。都市化政策の成果が見られる一方で、高齢化問題も浮き彫りになっている。60歳以上の高齢者人口は、2012年末で全体の15.2%を占める857万6900人だったが、2013年末は860万人を超えたと予想される。今後20年間は高齢者人口が増加を続け、急速な高齢化が現実のものとなる。

 もう一つの問題は、自力生活が困難な要介護高齢者の存在。高齢者人口の8.57%(74万3000人)を占める規模に達している。高齢夫婦、独居老人世帯が高齢者人口に占める割合は、農村部で59.56%、都市部で74.96%に上る。自立生活が困難な高齢者を社会がどのように支えるか――。大きな問題を突きつけられている。

 省政府は高齢化対策として、90年代中頃から民間資本の老人福祉サービス業参入を積極的にリードしてきた。2013年8月時点で、浙江省の高齢者福祉施設は2028カ所、ベッド数は25万8000床に上る。そのうち民間経営は964施設(全体の47.5%)で、ベッド数は12万4000床。ベッド数は高齢者100人につき3床にとどまり、増え続ける高齢者に充分対応できていない。また、「必要とする福祉サービスを受けられない」という矛盾も浮かび上がってきた。高齢者の90%は、在宅介護を希望するが、地域や行政ではその方面のサービスが整っていないのが現状。2015年までに6700カ所の「在宅介護サービス支援センター」建設が急がれている。

 同省社会科学院の専門家は、「『一人っ子政策』で家庭が核家族化した。年老いた両親が生活面での手助けや介護、福祉サービスを必要とした時、小型化した家庭では負担しきれない」と出口の見えぬ局面を解説する。現役世代1人が4~6人の高齢者を支える時代をむかえ、高齢者介護は各家庭では背負いきれなくなっている。社会全体での福祉サービス整備が急がれている。

 前述の白書では、政府主導の高齢者福祉サービス整備が提言された。教育の義務化同様、高齢者福祉を公共サービスの一環に組み込み、計画的な介護施設の建設や、高齢者福祉施設の整備を求めている。
《亜州IR株式会社》


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