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1日で預金300億バーツ流出 コメ買い取り制度支援のタイ国営銀

2014年2月18日(火) 02時57分(タイ時間)
GSBのウォラウィット社長(16日)の画像
GSBのウォラウィット社長(16日)
写真、ニュースクリップ
GSB本店前(16日)の画像
GSB本店前(16日)
写真、ニュースクリップ
【タイ】17日、タイの国営銀行、政府貯蓄銀行(GSB)で、野党民主党の地盤であるバンコクと南部の支店を中心に、預金約300億バーツが1日で引き出される騒ぎがあった。

 事実上のコメ買い取り制度「コメ担保融資制度」でコメ農家への支払いを担当する国営銀行、農業協同組合銀行(BAAC)に対し、GSBが50億バーツを融資したことが16日、明らかになり、これに反発した民主党支持者らが預金を引き出したとみられる。

 これを受け、GSBのウォラウィット社長は17日、BAACに対する追加融資150億バーツの実施を見合わせるとともに、取り付け騒ぎに備え、支店の現金を通常の2、3倍に増やす方針を明らかにした。

 インラク政権は昨年12月、民主党が主導する反政府デモに屈して議会下院を解散、総選挙に踏み切った。これにより、政府の機能が選挙管理に限定され、コメ担保融資制度に必要な資金約1300億バーツの手当てができなくなった。

 コメの買い上げが滞ったことで、コメ農家によるデモが地方や商務省本省などで発生。16日午後にはバンコク郊外のスワンナプーム空港の旅客ターミナル前でコメ農家十数人が外国人らにコメを渡し、窮状を訴える騒ぎがあった。17日にはインラク首相が臨時オフィスを置いているバンコク郊外の国防次官事務所にコメ農家のデモ隊が侵入し、首相との直接対話を要求した。

 政府はコメ買い取りの資金を在庫米の販売や銀行融資で工面しようとしているが、政府間取引で中国に輸出するはずだったタイ産米120万トンについて、中国側の国営企業が契約破棄の意向を伝えてきたことが2月に入り明らかになるなど、在庫米の売却は難航。銀行からの融資も今回の騒ぎで極めて困難になったとみられている。

 コメ担保融資制度はインラク政権の目玉政策の一つで、政権発足直後の2011年10月に導入された。政府が市価の約4割高でコメを買い取ったため、コメ農家には好評だが、タイ産米は価格上昇で輸出量が激減し、2012年には1981年以来初めてコメ輸出世界一の座から転落した。

 買い上げたコメの転売はほとんど進まず、膨大な在庫を抱え、最終的に数千億バーツの損失を出す見込みだ。財政負担が重い割に政策効果が低いとして、国際通貨基金(IMF)やタイ国内のエコノミストから、早急に制度を打ち切るべきという意見が相次いだ。コメ買い取り資金の大半が精米業者、輸出業者、政治家、大規模農家にわたり、汚職の温床になっているという指摘もある。

 今年1月には、この制度をめぐり不正が行われたとして、タイ汚職取締委員会がブンソン前商務相、プーム前副商務相ら15人を刑事告発した。インラク首相についても、不正を見逃したとして、刑事告発を視野に捜査を進めている。汚職取締委によると、ブンソン商務相らは農家から買い取ったコメの一部を政府間取引で中国に輸出したとしていたが、実際にはコメは輸出されず、タイ国内の業者に販売された。取引は帳簿に掲載されず、脱税の疑いも強いという。
《newsclip》

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