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香港不動産に価格調整の波、今後2年で2割下落も

2014年2月18日(火) 13時34分(タイ時間)
【中国】香港の不動産市況が調整局面を迎えている。

 市場では、「香港政府が過去1年間実施してきた厳格な住宅価格抑制策が功を奏したもの」と評価する見方がある一方で、「米金融緩和縮小を背景とした新興国からの資金流出が鮮明化しつつある」と懸念する声も強い。香港の住宅価格について、「今年は1割程度下がる」と悲観的な予想を示す専門機関もある。米国が生み出した「緩和マネー」の流入による低金利を背景として、香港に積み上がった投資資金が生み出した「不動産投機熱」は冷め始めている――と警戒されているという。経済参考報が17日付で伝えた。

 香港政府は昨年下半期、高騰する住宅価格を抑制するための追加措置を導入。香港に戸籍を持たない人と投機筋を対象に、不動産取引時にかかる印紙税を引き上げた。これは中国本土投資家の主な投資対象だった香港の高級住宅市場を直撃。取引低迷、価格急落につながった。実用面積1722平方フィート(約150平方メートル)以上の大型住宅価格は13年通年で前年比2%下落。5年ぶりの値下がりに転じた。香港の住宅相場全体をみても上昇率は7.7%と、過去5年間で最も低い水準にとどまっている。

 これに追い打ちをかけたのが、世界金融環境の変化だ。グローバル資金の動向に最も敏感といわれる香港は、世界の金融が動揺すれば、その影響が不動産市場に波及する。新興国からの資金流出が続くなか、香港の不動産投機熱が一気に冷めたことが不動産市場の疲弊の根本にある――との指摘もある。香港金融管理局(HKMA)の陳徳霖(ノーマン・チャン)総裁は先ごろ、「金融危機後に流入した1000億米ドルの資金はいずれ香港から撤退する。そうなれば、香港の資金流動性と金利の上昇に圧力をもたらす」と懸念を表明した。

 このほか、中国本土の政策影響を指摘する分析もある。金融の引き締め、「シャドーバンク」規制の強化、「反腐敗」キャンペーンの励行といった本土の各種政策が香港不動産市場の需要に影響を及ぼしている――というものだ。実際、損失覚悟で本土投資家が香港に保有する住宅を手離している――といった報道が後を絶たない。直近では、11年に1億2800万香港ドルで購入した香港の豪邸を1億3000万香港ドルで売却した中国本土資産家のニュースが大々的に報じられた。額面では200万香港ドルの儲けがあるものの、印紙税や手数料を加えると、総額で600万香港ドルの損失を被ったとされる。

 今後の見通しも楽観できない。香港の金融政策を巡っては、関係者の間からは新興国からの資金流出という大きな流れの中で、「米国よりも早く金利上昇周期に入る」との予想が上がっていて、住宅ローンの金利負担は今後拡大すると想定される。一方、不動産市場では、保有コストの増大を受けてデベロッパーが販売を加速し、新築住宅の供給が増えることが予期される。業界関係者の間では、「香港の不動産市場は今後最低でも2年間の調整期に入る。この間の住宅価格の下落幅は2割を超える可能性がある」と予測されている。
《亜州IR株式会社》

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