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中国:「理財商品」に償還リクス高まる、石炭・不動産向けに要警戒

2014年2月23日(日) 17時08分(タイ時間)
【中国】石炭と不動産開発の両業界を中心に、高利回り金融商品「理財商品」のデフォルトリスクが中国でクローズアップされつつある。

 これらは地方政府が組成し、その傘下の信託会社が発行。銀行の窓口を通じて、優良顧客に販売される例が多いとされる。中国政府系メディアなどが20日付で伝えた。

 「理財商品」の発行期間は、大部分が2~3年で占められる。今年各月の償還額は、1月、3月、5月、6月がそろって200億人民元を超過。うち5月は、月次ベースで今年最大の368億2700万人民元(約6220億円)が予定されている。

 一方、すべてを網羅した完全な統計ではないものの、過去の償還状況をみると、2012年で13本、2013年で14本の違約事件が起きた。これら27件の内訳は、不動産信託が15本、工業・商業信託が11本、金融信託が1本となっている。件数最多の不動産信託では、超大都市圏の一線都市が4本、地方大都市圏の2線都市が5本、地方都市の3~4線都市が6本となった。全体の規模を踏まえた場合、2~3線都市を対象とした不動産信託のリスクが相対的に高いといえる。また、違約した工業・商業信託11本では、石炭業界向けが5本、化学工業向けが2件など。景気が冷え込んだ石炭業界のハイリスクが浮き彫りとなった。

 中国の信託業界では、「『理財商品』は元本割れさせない」とする不文律があるとされる。政府が組成し、信用の高い銀行の窓口を通じて有力顧客に販売されていくため。ただ、実際にはローリスク、ハイリターンの商品は存在しない。利回りが高ければ高いほど、償還リスクも高まるという構図がある。これまで発行された「理財商品」が償還のピーク期を迎えるなか、“投資は自己責任”という大義の下で違約が発生する恐れも否定できない。

 中国の信託業では、資産規模が急速に増加している。2013年末時点の信託業の資産残高は、前年末比46%増の10兆9100億人民元(約184兆2600億円)に膨らんだ。ただ、「理財商品」に代表される「シャドーバンキング(影の銀行)」システムには、綻びもみられ始めている。今年1月下旬には、中誠信托有限責任公司の発行した「誠至金開1号集合信託計画」のデフォルトが、販売会社の中国工商銀行による元本支払いによって、土壇場で回避された。金利部分はカットされるものの、元本30億人民元(約507億円)がすべて支払われる。

 さらには、吉林省政府が組成した「吉信松花江77号・山西福裕能源プロジェクト信託計画」の第5期も期日の19日に償還されなかった。すでに償還日を過ぎた第1期、第2期、第3期、第4期も支払いが滞っている。同信託は、中国建設銀行の山西省支店窓口を経由し、2011年11月から2012年3月にかけて富裕層顧客から合計9億7270万人民元(6期分、約164億円)が集められていた。
《亜州IR株式会社》


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