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中国:「他社が減産しなければ自社せず」、“チキンレース”の鉄鋼業

2014年3月28日(金) 13時24分(タイ時間)
【中国】在庫圧力が高まる中国の鉄鋼業界で、企業に暴走感がみられ始めている。

 在庫が膨張しているのにも関わらず、意地でも生産を続けている状況。「他社が減産しなければ、自社もしない」という、さながら“チキンレース”の様相を呈しているという。証券日報が27日付で伝えた。

 3月26日までに2013年業績を発表した上海・深セン上場の鉄鋼企業16社は、13年末の在庫額が合計で449億7800万人民元に達し、前年比で17%増加した。特に当局の規制を受けづらい民間企業の生産増が目立つ。中国鋼鉄連合網の集計によると、非重点企業(民間企業)の今年3月下旬の日間粗鋼生産量は43万6000トンに達した。前年同期に比べて20.8%も増加したという。

 一方、業界の収益力は右肩下がりで低下。業界団体、中国鉄鋼工業協会の会員企業の13年・利益総額は288億人民元にとどまった。会員企業の18.6%が赤字に陥っている。鉄鋼製品1トン当たりの利益は36人民元と、豚肉1キロ当たりの価格にほぼ並ぶ低水準。販売利益率はわずか0.62%に低迷した。さらに利益288億人民元のうち、投資収益で約177億人民元を占めていて、本業の採算性の悪さはここからも読み取れる。在庫が膨らみ、利益が低迷する――というのが鉄鋼業界の足元の窮境だ。

 アナリストによれば、在庫の増加は、「他社が減産しなければ、自社も減産しない」という風潮が鉄鋼企業の間に広まっていることが要因。「シェアを維持したい」、「顧客流出を避けたい」という思いもあるという。さらに足元で巨額の負債を抱えていることも背景にある。減産や操業停止に踏み切れば、資金を回収できずに債務不履行に陥るリスクがあるためだ。このほか、GDP(域内総生産)至上主義にある地方政府が、貴重な財源である鉄鋼企業からの税収を確保したいという思惑も背後にあると指摘されている。

 著名な専門家は、「在庫の膨張は鉄鋼業界の混乱状態を体現したもの。鉄鋼企業は、資金チェーンが断裂しない限り生産を続けるという発想を転換すべきだ」と注意喚起した。
《亜州IR株式会社》


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