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タイ首相失職も 違法人事で憲法裁判

2014年4月2日(水) 16時43分(タイ時間)
【タイ】反タクシン元首相・反政府派が司法と議会上院を使い、タクシン派インラク政権の追い落としを急いでいる。政権側は権力基盤である議会下院を反タクシン派による選挙妨害で開会することが出来ず、窮地に追い込まれた。

 タイ憲法裁判所は2日、2011年にインラク首相が当時のタウィン国家安全保障会議(NSC)事務局長を首相顧問に異動した人事が憲法違反だとするパイブーン上院議員の訴えを受理した。憲法違反と認められればインラク首相は失職する見通し。判決は早ければ3週間ほどで下ると予想される。憲法裁は同日、野党民主党のステープ元副首相が率いる反政府デモが違憲だとする政府の訴えを却下した。

 タウィン氏の異動はインラク首相の元義兄にあたるプリアオパン副警察長官を警察長官に昇進させた人事の玉突きで、これにより当時のウィチアン警察長官がNSC事務局長に転任し、タウィン氏がポストを失うこととなった。タウィン氏は異動後、不当な人事だとしてNSC事務局長への復職を求める裁判を起こし、勝訴。今年3月25日にNSC事務局長への復職が閣議決定された。

 インラク首相は事実上のコメ買い取り政策であるコメ担保融資制度をめぐる汚職疑惑でも職務怠慢の疑いで取り調べを受け、3月31日、汚職取締委員会に出頭した。汚職取締委はまた、昨年国会で可決された憲法改正案の審議の進め方に憲法違反があったとして、同日、ソムサク前下院議長を訴追した。ソムサク前議長は上院で弾劾にかけられる。憲法改正案は約半数が任命制となっている上院を全議席公選制に変更する内容で、憲法裁が昨年11月、違憲な方法による権力の掌握を禁じた憲法68条に違反するなどとして、違憲の判断を下した。

 タイでは昨年10月から、野党民主党など反タクシン派による大規模な反政府デモがバンコクで続いている。インラク首相は12月に下院を解散し、総選挙に打って出たが、2月の下院選は、民主党の地盤のバンコク、南部などで反政府デモ隊による投票妨害があり、全国375の選挙区のうち28の選挙区で投票が行えなかった。これを受け、憲法裁は3月21日、下院選を無効とする判決を下した。インラク政権は投票をやり直す方針だが、民主党と反政府デモ隊は「選挙の前に政治改革を行うべき」という主張を繰り返し、前回同様、民主党は下院選をボイコットし、反政府デモ隊は投票を妨害する構えだ。

 一方、3月30日、実施された上院選は妨害を受けなかった。タイのメディアは上院の勢力図について、任命制の議員の大多数が反タクシン派で、全体では反タクシン派80人程度、中立20人程度、タクシン派50人程度とみている。
《newsclip》

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