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PM2.5問題続く北京に「遷都論」再浮上、7都市が候補に

2014年4月4日(金) 13時57分(タイ時間)
【中国】PM2.5(微小粒子状物質)などによる大気汚染が深刻な北京市に関し、「遷都論」が急浮上している。健康被害だけでなく経済への悪影響が指摘され始めたため。

 北京市・規画委員会はこのほど編さんした「北京市都市設計の演変と発展」と題する書籍で、「現在の中南海(北京市の中心部、西城区)にある中央政府機能を他エリアに移転させ、その跡地で新たなオフィスビル街を開発する」と大胆な提案をしている。博訊などが2日付で伝えた。

 そもそも「遷都論」は、中国で過去30年間、断続的に唱えられ続けてきた課題といえる。政治に疎い人であっても、新聞で「遷都」という言葉を目にすれば、「今年も『両会』(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の季節が来た」と連想するほどだ。
 第9次5カ年計画(1996~2000年)期間には、中国の首都を継続して北京に置いた場合の利害と、将来的に首都機能を移す可能性を分析したリポートを国家社会科学基金が発表。中国の首都は、「地理上の中心」、「人口分布の中心」、「経済総量の中心」などの条件を備えた位置に置くべきだと報告している。

 リポート策定に携わった研究者によると、これらの条件に基づくと、遷都先の候補地として7都市が挙げられる。(1)甘粛省定西(陸地の中心:13年にマグニチュード6.6の地震発生)、(2)重慶市石庄(領土の中心:革命旧区)、(3)河南省桐柏(人口分布の中心)、(4)江西省高安(経済の中心:食用豚の出荷頭数全国最多)、(5)湖北省十堰(生態系の中心:自動車生産盛ん)、(6)重慶市フ陵(資源の中心:搾菜(ザーサイ)生産盛ん)、(7)河南省杞県(穀物の中心:ニンニク生産盛ん)――の7都市で、北京との距離600~1500キロの位置にある。

 遷都にかかるコストについても、研究結果が報告されている。キ(「既」かんむりに旦)南大学は2011年9月に雑誌に寄稿した研究論文の中で、「首都機能を別の都市に完全に移転させた場合にかかる費用は最大でも700億人民元(約1兆1700億円)を超えない」と試算した。「南水北調」(南部の水を北部に調達する)国家プロジェクトに投じる総費用の3分の1程度にとどまるはずと解説している。一方で、「新たな首都を建設するためのコストは少なくとも3000億人民元に達する」と予想する専門家もいるという。
《亜州IR株式会社》


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