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中国:大気汚染の救世主?、地方都市で「空気の缶詰」開発ラッシュ

2014年4月6日(日) 18時04分(タイ時間)
【中国】貴州省はこのほど、観光商品として同省の空気を詰め込んだ「空気の缶詰」を生産する計画を明らかにした。

 3月に開かれた人民代表大会(全人代)で、習近平国家主席が提案したことを受けたもの。福建省や浙江省など複数の省も「空気の缶詰」の開発に向けて検討を進めているとされる。時代周報などが3日付で伝えた。

 習主席が、人体に有害な大気中の微小粒子状物質「PM2.5」の問題について言及した際に空気の質の良さに触れ、「貴州省は将来、『空気の缶詰』を販売できる」と発言したことがきっかけという。貴州省旅游局の傳迎春局長は「遊びではなく、消費者に受ける商品を作り出す」と意欲的。既に四川省の民間企業を開発業者として指定したという。

 福建省も「空気の缶詰」の開発を進めている省の一つ。同省旅游局の朱華局長はあるイベント会場で福州市雲頂で採取した「空気の缶詰」を参加者に配布して、商品をアピールしたという。

 このほか、浙江省臨安市も約2カ月前から、「空気の缶詰」の開発に向けて動き出した。河南省欒川県も、開発に向け研究を進めているとされる。

 「空気の缶詰」は、中国のECサイト最大手「淘宝網(タオバオワン)」などのネット通販サイトですでに販売されている。価格は1本当たり50~200人民元(約840~3340円)とさまざま。貴州省や福建省などの国内都市や海外の新鮮な空気を詰め込んでいるとされる。缶のふたを開けて3回ほど吸い込めば、心が安らぎ、頭がすっきりする――とのことだ。

 もっとも、この市場の存在意義を疑問視する声もある。中国政府は、1億7500万人民元を投じて有害物質を含む濃霧を解決していく方針を示していて、大気汚染の問題が徐々に解決していけば、「空気の缶詰」は市場自体を失うためだ。大気汚染対策に巨額の資金を充てる一方で、「空気の缶詰」の開発に資金をつぎ込む地方政府の行動は矛盾する――との指摘もある。
《亜州IR株式会社》


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