梅村 明弘 氏
President
求められることに応える精神 「Yes and Please」の経営理念
ボルト一本から始まった経営理念
――タイでの起業の経緯をお聞かせください
「生まれてから25歳までは学ぶ。26歳から50歳まではひたすらに働き、学んだことと事実との違いを知る。51歳から75歳までは、そのどちらが正しいのか、自分一人で善悪の判断を下す」という人生設計をもとにした、会社設立です。大学を卒業してから27年間、父親が経営する物流機材の会社で働いてきました。若いころの親しい仲間で「オヤジの会社」を継いだ者が6人いましたが、たった1人をのぞいて5人はその会社を潰しています。
私は父親の会社を何倍にも大きくしたと自負していますが、評価されるのは父親で決して私ではありませんでした。受け継いだ会社を潰した仲間や、常に評価される父親を見ながら、自分で会社を立ち上げて大きくしていかなければならない、と実感した次第です。
弊社は1992年3月設立。以前の会社でアジア、中近東、欧米の各国への出張を重ね、来タイも15回を数えていました。頻繁に訪れて慣れていること、料理が美味しいこと、というのがタイを選んだ理由です。
――設立当初は苦労されたと聞いていますが?
会社立ち上げ当初は、“タイ人労働者の日本への派遣”や“日本の食材の輸入”など、従来から全く未経験のものを始めました。しかし予想に反して、全く売れませんでした。それらは「なくても困らない」ものであり、必要なのは「なくては困る」ものだったのです。
決定的な出来事は1本のボルトでした。「タイでどんなに探しても見つからなくて困っている」という、バンコクから150キロ離れたお客様から預かったボルトを、2日がかりでようやく探し出してお届けしました。そのボルトだけで大変喜ばれ、一気に仕事をいただくようになりました。
会社立ち上げの3月から9月までの半年は売り上げゼロ、しかしその後の第4四半期で一気に売り上げが伸び、その年の12月には資本金200万バーツ以上の利益があり、タイでの事業促進にはずみがつきました。
――「Yes and Please」という言葉について
欲しいと頼まれたら「はい」と答え、気持よく「どうぞ」とお渡しする。不要なものはどんなに売りつけても買ってくれませんが、必要なものなら買ってくれます。「Yes and Please」こそが経営理念です。
弊社は現在、工場・倉庫建築、関連設備設計製造を手がけていますが、それはテントの取り扱いに始まっています。テントを探していたお客様に日系専門業者を紹介したところ、「雨漏りがひどい」といった苦情を受けることになりました。業者に苦情を伝えても「うちの製品はこういうもの」という返事のみ。ならば自分たちで質の良いテントを造ろう、ということになりました。これがテントハウスを作り始めたきっかけです。
また、自動車部品製造の場でテストによる屋根を設置していたとき、お客様から「今度プレス工場を造る予定があるのだが、設計と見積もりをしてくれないか」とのお話がありました。「私どもはテント屋ですから鉄筋コンクリート造りの工場は無理でしょう」とお答えしましたが、「いや、Yes & Pleaseの精神なら出来る!」と言われ、始めたのです。それ以降、工場建設は弊社の売り上げ金額の65%を示しています。
図面全てにおいて設計無料
――御社事業の特徴といったものは?
まず、受注前後の図面全てにおいて設計が無料という点です。設計会社が何百万・何千万バーツも請求する設計を無料にするというのは、かなりの勇気を必要としました。しかし、無料でも良い設計をすれば、その誠意がお客様に伝わります。心と心がつながらなければ仕事は成功しません。ましてや、建物というのは何十年も残ります。良い建物が末長く残って欲しいという思いは、お客様も弊社も変わりません。
もう一つ、工場などは建設と操業に当たってさまざまな申請と認可が必要です。これらの複雑な法的手続きも、弊社は専門スタッフを確保して無料で代行しています。もともとローカルルールに則った料金設定ですので、有名ゼネコンより2―3割は安く受注しています。
――これまでの実績についてお聞かせください
弊社事業の原点ともいえるテント(ドームハウス)はこれまでに750棟、RC(鉄筋コンクリート)建築は完成予定を含めて26棟、うち工場が24棟、残り2棟がマンションです。
メザニンフロア(中2階)も扱っており、これまで60カ所以上を手がけてきました。工場内で事務所や倉庫などを造り足す際、メザニンフロアなら予算縮小や天井空間の有効活用が可能です。サイズはフリー、床はスマートボードや鉄板など、床耐荷重は1平米当たり300キログラム、500キログラム、1トンの3とおりです。
弊社の隠れたヒット商品にスクラップコンベアがあります。タイではトップメーカーの自信をもっており、これまで50カ所以上に設置、1工場内で500メートルに達する納品実績もあり、海外にも輸出しています。
また、高速シートシャッターの「ガードモン」も売れ筋です。安全設計でシンプル構造、ホコリ、虫、花粉が日本の3倍といわれるタイでは必需品で、これまで150カ所以上に設置。ホコリをシャットアウトするほか、空調効果を促します。クリアシート窓などで開放感もあります。
お客様の多くが自動車部品、家電、弱電部品、耐火物などの各メーカーです。
――売り上げ規模など
年間5億バーツです。今後も「Yes and Please」の理念のもと、ウメムラらしい誠意ある仕事を続けていきます。
――ありがとうございました
住所:2922/282 Charn Issara Tower 2, 24th Fl. New Phetchburi, Bangkapi, Huaykhwang, Bangkok 10320
電話:0-2308-2060~2, 0-2308-2776~7 ファクス:2308-2063
梅村:081-620-0066 Eメール:umemura@truemail.co.th
Dr. Veerachai(ビラチャイ):081-813-1900 Eメール:umemura@loxinfo.co.th
ウェブサイト:www.umemura.co.th
〈企業インタビュー〉工場・倉庫建築、関連設備設計製造 UMEMURA CORP (THAILAND) LTD.
2014年4月11日(金) 00時03分(タイ時間)
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