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「煮沸しても飲めない」、中国に広がる水道水不安

2014年4月15日(火) 00時03分(タイ時間)
【中国】甘粛省蘭州市で国の基準値を大幅に上回る発がん性物質のベンゼンが水道水から検出された問題を受けて、飲料水に対する安全不安が中国で再びクローズアップされている。

 環境保護部が今年2~3月にかけて実施した大気・水質汚染調査では、水質汚染が国内広範にわたって存在している現状を確認。煮沸しても国の飲料水基準に到達しない水道水を供給する地域が多数存在する――と報告されている。経済参考報が14日付で伝えた。

 これら問題の元凶とされるのが、工業排水の垂れ流し。国の基準を超える有害物質を含んだ工業排水の一部が何ら処理されずに河川に直接排出され、水源を汚染している。さらに、本来は河川から取水した水や地下水などを浄化・消毒する役割を持つはずの浄水場がその機能を十分に発揮していない問題も露呈。環境保護部の調査では、処理水が国の飲料水基準を満たしていないとして、多くの都市の下水処理場が「ブラックリスト」に挙げられ、業務改善命令を受けた。水源地から一般世帯の水道の蛇口まで、飲料水が届けられる過程のいずれにも健康リスクが潜んでいる状況を浮き彫りにしている。

 公衆環境研究センターの馬軍主任は、最近発生した水質汚染がいずれも工業排水による汚染が引き起こしたものである点に着目。水源地の保護と安全を顧みずに重化学工業を中心とした経済発展のみを重視してきた地方政府の責任を追及した。同時に、環境管理における国の罰則管理の弱さを指摘。罰金額が低く設定されている状況が、環境対策面に金をかけたくない――との考えを企業に持たせていると問題提起している。さらに、「浄水場を検査する第3者機関を設けて、水質検査を浄水場自身に任せている現在の制度を是正すべきだ」とも提案した。

 蘭州市内に供給される水道水をめぐっては、国の定めた安全基準を大きく逸脱した量のベンゼンが含有していた事実が明らかにされている。水質検査にかけたところ、蘭州市威立雅水務集団公司の浄水場、外部の取水河川から大量のベンゼン成分が検出された。10日午後5時の計測では、1リットル中に浄水場で118マイクログラム(μg)、取水河川で170μgのベンゼンが含有していた。11日午前2時の計測値は200μg。国が定めた安全基準10μgの20倍を記録していた。
《亜州IR株式会社》


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