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変貌するラオス (2) 観光、タイプラスワン

2014年4月17日(木) 23時03分(タイ時間)
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変貌するラオス (2) 観光、タイプラスワン
 もうひとつ、ラオス経済を支えているのは観光だ。現地紙ビエンチャン・タイムズなどによると、2013年にラオスを訪れた外国人は約380万人。観光収入は約6億ドルに達した。いずれも2012年から大幅な伸びを示している。

 「街全体が世界遺産に指定されているルアンパバンは特にヨーロッパ人に大人気です。欧米の旅行雑誌などでの評価も毎年かなり高く、ルアンパバンはラオス観光を牽引する存在です」(日系旅行業界関係)

 加えて2013年は隣国タイでまたしても反政府デモが発生。行き先をラオスに変更する旅行者が続出した。

 日本人の渡航数も増加した。安倍首相がラオスを訪問して将来的な直行便の開設や相互の貿易振興などについて話し合ったこともあって、それまでインドシナ半島では存在感が薄かったラオスについて興味を持つ日本人が増えた。また南部のサワンナケートにある経済特区では、ニコンやトヨタ紡績といった日系工場が進出し、話題を呼んだ。タイの人件費の高騰と政治的リスクを見越して生産拠点の分散化を図る「タイ+1」の候補地として注目を集めるようになってきたのだ。

 ビエンチャンを中心に進出している日系企業は約100社。縫製業や製造業をはじめとして、ゆるやかだが増加傾向にある。バンコクに拠点を持つ飲食業者の進出も多いようだ。

 「タイとラオスは言葉が似通っています。タイでの経験や人材を活用できるので、タイに足がかりをつくっている会社は比較的進出しやすいでしょう」(日系製造業)

 加えてラオスではいま、天然資源の採掘が進んでいる。金、ボーキサイトはじめさまざまな鉱物資源が、主にラオス南部で産出される。これまでは、山深いことやベトナム戦争時代の不発弾などの問題によって開発が行われてこなかったのだが、2000年代に入り、オーストラリアや中国の企業が進出、世界有数の鉱床であることがわかってきた。この鉱物資源に対する国際的な投資が集まっている。

 こうしたさまざまな要因により、ラオスでは消費が盛んだ。高級車がどんどん売れるという。かつては未舗装路で、わずかばかりのオート3輪が走るだけだったファーグム通りやランサーン通りは、いまや朝晩になると交通渋滞するようになった。20年前は信号すらなかった街の、この変わりようは目覚しい。

 これらの通りの周辺にはタイ系やベトナム系、そして地場ラオス系のおしゃれなカフェなレストランが並ぶ。欧米人観光客だけでなく、ラオス人の客も多い。また夜になれば、まるでバンコクのRCAかエカマイにあるようなクラブがネオンを灯し、小金を持つようになった中間層の子弟あたりが夜遊びを楽しむ。もちろんまだ数も少ないし規模も小さいが、こうした施設がビエンチャンにもできたことに感動すら覚える。20年前は夜7時になればゴーストタウンのように静まり返ったものだ。

 その時代、メコン河を挟んだ対岸にあるタイの街シーチェンマイのほうが大きく、向こう側のネオンを羨ましく眺めたものだ。いまではもちろんビエンチャンの圧勝だ。この10年間で、インドシナ半島で最も変わった街が、カンボジアのシェムリアップと、ここビエンチャンだろう。

 だが地方に行くと、前近代的な自給自足の生活を送る少数民族も多い。彼らに経済発展の恩恵はほとんどない。加えてまだまだ足腰の弱い経済しか持たないこの国にとっては、少々いびつで性急な成長だという声もある。外資による援助ありきの構造から、まったく脱していないからだ。今後は地場産業の育成がなによりの課題といえるだろう。

 それでも、ラオスもインドシナ経済、大メコン圏(GMS)の一員として、経済競争に参戦してきたとはいえそうだ。2015年にAEC(アセアン共同体)が発足すれば、ラオスは国境を越えたインドシナ経済圏の地理的中心となる。AECによる関税の段階的撤廃などによってどんな変化があるかは未知数だが、ラオス国内の交通が活発になることは間違いない。

 インドシナ半島で最も未開発だったラオスにも、今後は脚光が当たるかもしれない。
(文・写真、室橋裕和)
《newsclip》

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