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中国:農業地帯でイナゴ養殖、当局が「害虫被害」を警戒

2014年4月25日(金) 11時56分(タイ時間)
【中国】農業を主要産業とする広東省広州市の従化区で、ビニールハウスを使用して食用イナゴを養殖する農家が現れ、それが外部へ漏れて大量発生し、農作物に壊滅的な「イナゴ被害」をもたらすのではないかと同地の農業局が緊張を高めている。南都訊が23日付で伝えた。

 イナゴを油で揚げた料理が美食として好まれる中国では、食用イナゴの需要が高い。同地で2013年11月末に開催された「美食節」では、イナゴの素揚げやイナゴを酒に浸したイナゴ酒などが、高値であるにもかかわらず、参加者の強い関心を呼んでいた。この現象に商機を見出した謝伯偵さんは、同地区郊外の山中に土地を借り、ビニールハウスを建ててイナゴの養殖を開始した。それから次々とハウスを増やし、現在は、約1万平方メートルの土地にビニールハウスを連ね、700万匹以上のイナゴを養殖している。これをすべて出荷し、また新たなイナゴを育てることを繰り返し、多い年では年9回出荷できるという。

 スタッフの1人は、「成長の早い『オーストラリアトビバッタ』種を養殖しているからできることだ。この種は味もいい」と説明する。しかし検験検疫局は、「害虫に属すイナゴは、輸入規制の対象。国外から輸入することはできない」と切り捨てている。また現場を視察した昆虫専門家は、「これは東アジアで一般的な『トノサマバッタ』種だ」と確信をもって宣言した。そのようなことも意に介さない謝さんは、「この先は、食用として袋詰めするだけでなく、イナゴを粉末にして商品価値を高め、金銭亀やウナギの飼料として出荷することを考えている」と将来の展望を語った。

 雲南省や広西チワン族自治区で、イナゴの養殖は珍しいことではない。しかし、農業を主産業とする従化区農業局は、断固としてこれに反対の立場を取っている。けれども法的根拠が何もないため、イナゴ養殖家を強制排除することはできない。そのため代替案として同局は謝さんに、◆モニター用のウェブカメラ設置、◆当直監視の強化、◆人為的ミスの徹底排除――など万全の管理体制を敷くことを強く求めている。さらに、謝さんと取り決め書を交わし、◆万一「イナゴ被害」が発生した場合は、謝さん側の責任で農薬散布用飛行機をチャーターして被害拡大を防ぐこと、◆損害がでた農家に対して賠償金を支払うこと――などを承諾させた。

 もっとも昆虫専門家は、「ビニールハウスから大量にイナゴが逃げ出さないかぎり、農作物に甚大な被害をもたらすほどの『イナゴ被害』が発生することはない」と冷静に分析している。
《亜州IR株式会社》

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