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中国:不良債権比率4倍でも金融システムは健全=人民銀報告

2014年5月1日(木) 13時34分(タイ時間)
【中国】国内商業銀行のストレステスト結果が報告された。不良債権比率が現在の4倍水準に上昇した場合でも、自己資本比率はまだ充分に高く金融システムを揺るがす大きな問題は発生しないと楽観される。

 中国人民銀行(中央銀行)が29日に発表した「2014年の金融安定報告」で明らかにした。

 GDP成長率が4%に鈍化するなかで、不良債権比率が4倍に上昇した――と仮定し、銀行自己資本比率に与えるマイナス影響をシミュレーション。全体の自己資本比率は足元の11.98%から10.50%(↓0.48ポイント)に悪化するに過ぎないと報告した。規模別の動向では、大型商業銀行で1.63ポイント、株式制銀行で1.12ポイントずつ低下すると予想している。これは、長江デルタの経済停滞、金融理財商品のリスク浮上、生産能力過剰産業の業績低迷、地方政府系の投融資子会社経営難などを踏まえたもの。軽度、中度、重度の圧力がかかった場合でも、金融システム全体の綻ぶリスクは軽微にとどまると分析した。

 このほか、預金金利の上昇に直面した際のストレスもテスト。預金金利が250ベーシスポイント上昇しても、自己資本比率の低下幅は0.19ポイントに限定されると指摘した。預金金利の上昇、貸出金利の低下が進んだ場合を想定し、軽度、中度、重度の圧力をかけたとき、自己資本比率の低下幅はそれぞれ0.46ポイント、1.36ポイント、2.73ポイントにとどまると予測。金融システム全体の健全性は保たれると説明した。

 ただ、個別の銀行によっては、流動性の低下に晒されるリスクが存在すると指摘。中度の場合で1行、重度の場合で3行が流動性低下に見舞われる恐れがあると報告した。 

 調査の対象は工商銀行、農業銀行、中国銀行、建設銀行、交通銀行、招商銀行、上海浦東発展銀行、中信銀行、興業銀行、民生銀行、光大銀行、華夏銀行、広東発展銀行、平安銀行、恒豊銀行、浙商銀行、渤海銀行。これら大手17行の総資産は、中国銀行業全体の61%を占める。

 2013年末の銀行不良債権額は5921億人民元(約9兆7100億円)で、同年9月末比で285億人民元、12年末比で992億人民元ずつ増加した。不良債権比率は1.00%へと上昇、景気減速で不良債権は徐々に増加している。ただ、貸出損失準備(貸倒引当金)は1兆6700億人民元に達し、カバー率は282.7%と、不良債権額を大きく上回った。
《亜州IR株式会社》


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