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首相失職判決、タイ与党「民主政体破壊目指すクーデター」

2014年5月7日(水) 23時53分(タイ時間)
【タイ】タイ憲法裁判所が7日、人事をめぐる職権乱用でインラク首相と閣僚9人を失職としたことに対し、タクシン元首相派の与党プアタイ(タイのため)は同日、憲法裁の判決は違憲であり、民主政体の破壊を目指す「新たな形のクーデター」の一環だとする声明を出した。

 2006年以降、プアタイの前身である2つの政党が裁判で解党されて党役員が5年間の公民権停止処分を受けほか、サマック、ソムチャーイ、インラクというタクシン派の3人の首相がいずれも裁判所により失職させられたと指摘し、司法が権限を超えて政治に介入していると批判した。また、反タクシン派の民主党、民主党のステープ元副首相率いる反政府デモ隊、憲法裁など憲法で定められた独立機関の一部が選挙を否定し、非民選内閣の樹立を企んでいると主張した。

 憲法裁はタクシン派と反タクシン派の抗争が本格化した2006年以降、一貫してタクシン派に不利な判決を下し続けている。昨年11月には、議員の約半数を憲法裁長官らによる委員会が任命する議会上院を全議席公選制に変更するとしたタクシン派の憲法改正案を、違憲として葬り去った。今年3月には、運輸交通インフラ整備のための資金2兆バーツの調達法案に違憲の判断を下した。デモ隊の選挙妨害と民主党のボイコットで混乱した2月2日の議会下院選についても、無効とする判決を3月に下した。

 政府・プアタイは今後の方針について、7月に下院選の再投票を成功させ、政局の正常化を図るとしている。ただ、憲法裁の3月の判決により、1選挙区でも投票が行えなければ選挙全体が無効になる可能性が高い。現状では、民主党の強固な地盤である南部で投票が行える見通しは立たず、事態打開の道筋は見えていない。

 一方、反タクシン派は今後も、自派が優勢な司法や上院、それにバンコクでの反政府デモなどで、タクシン派政権の打倒を目指すとみられる。ステープ元副首相と民主党のアピシット党首(前首相)はいずれも、下院選を延期、タクシン派政権を退陣させた上で、非民選内閣による政治改革を進めるというシナリオを示しているが、非民選内閣の法的な裏付けはあいまいで、タクシン派から、「違憲」、「非民主的」という批判を浴びている。
《newsclip》

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