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中国一の富豪に登り詰めた漢能控股の李主席、その成功のカギとは?

2014年5月14日(水) 15時03分(タイ時間)
【中国】経済誌「新財富」の2014年中国長者番付で首位に躍り出た漢能控股集団公司の李河君・董事局主席(兼総裁)。

 中国最大の民間クリーンエネルギー企業のトップとして、保有資産は前年(665億人民元の中国4位)比31%増の870億人民元(約1兆4200億円)に拡大したと紹介された。

 漢能控股集団はここ数年、太陽光発電分野で頭角を表し、足元では年産力300万キロワットを誇る世界最大級の薄膜太陽光電池メーカーに躍進した。しかしこの成長企業の屋台骨を支えている基幹部門は一貫して水力発電。国内14カ所に水力発電所を保有し、設置容量(権益ベース)は600万キロワットと、葛洲ダム発電所(三峡ダム下流に位置する中国最大の水利プロジェクト)2.3個分に相当する。水力発電事業について李氏は「新財富」の取材に対して、「原価はゼロ。一度稼働すれば、輪転機のようにカネを生み出すのが水力発電の特徴だ」と語り、水力発電事業が持つ無限のポテンシャル性を強調している。

 李氏は1960年代の後期に広東省・河源県の農村で生まれた。1984年に北方交通大学(現在の北京交通大学)機械工程学部の入学試験に合格し、一躍村のスターとなる。88年に大学を卒業後、院に進むが、恩師の他界を機に中退。教授から5万人民元を借りて事業を起こすも、わずか3カ月で資金を使い果たした。借金返済のためにさまざまな仕事を手掛ける中で、北京・中関村で電子製品を売る仕事が軌道に乗る。94年時点で8000万人民元の資金を貯めることに成功した。当時、この資金でどんな事業をやったら良いのか分からない李氏だったが、大学時代の友人の勧めで、故郷の河源県で容量1500キロワットの小型水力発電所を1000万人民元で購入した。これが李氏を中国トップの大富豪にのし上げる発端となった。李氏自身も、「これまでいろいろな事をやったが、真の事業家としての道を歩み始めたのは、94年のあの時だった」と振り返っている。

 09年に当時“ドル箱”として注目された太陽光発電市場に参入。中でも高い技術力が要求される薄膜太陽光電池の製造分野に身を置くことを敢えて選んだ。300億人民元を投じて同分野に参入した理由について李氏は、「水力発電事業というゆるぎない事業基盤と、非常に安定したキャッシュフローが存在するからだ」と説明。「漢能は最もリスクのない企業だと認識している」と自負した。

 中国の太陽光発電関連業界は、過去数年で大型の再編を経験している。過剰生産で市場供給がだぶつく中、かつて世界有数の太陽光発電関連メーカーだった尚徳太陽能電力(サンテック・パワー・ホールディングス)と江西賽維LDK太陽能高科技(LDKソーラー)は、デフォルトなどを起こして破綻した。李氏の漢能も、既存の水力発電事業という事業基盤がない状態で太陽光発電関連業界に参入すれば、2社と同じ轍を踏んでいたかもしれない。

 富豪ランキング2位以下の顔ぶれと保有資産は、大連万達集団(ワンダ・グループ)の王健林氏で800億人民元、娃哈哈集団(ワハハ・グループ)の宋慶後で790億人民元、騰訊の馬化騰氏で739億人民元、百度の李彦宏氏で608億人民元、美的集団(000333/SZ)の何享健家族で480億人民元、阿里巴巴の馬雲氏で457億人民元、長城汽車(2333/HK)の魏建軍氏で443億人民元、東方希望集団の劉永行氏で400億人民元、世茂房地産HD(813/HK)の許栄茂氏で400億人民元と続く。
《亜州IR株式会社》


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