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デモ隊、与野党幹部ら一堂に タイ軍招集で初会合

2014年5月22日(木) 00時45分(タイ時間)
【タイ】政治危機が続くタイで21日、前日に戒厳令を発令して実権を掌握したプラユット陸軍司令官が、与野党幹部と閣僚、反政府デモ、政府支持派デモのそれぞれの指導者らをバンコク都内の陸軍クラブに半ば強制的に招集し、会合を開いた。

 出席者は今回の会合を踏まえて、政治危機解決に向けたそれぞれの提案をまとめ、22日に再度、会合を開く予定だ。

 会合に出席したのは、反タクシン元首相・反政府デモを率いる野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)、民主党のアピシット党首(前首相)、ジュティ幹事長、スラチャイ次期上院議長、タクシン元首相側近のポンテープ副首相、ポンサク・エネルギー相、チャイカセーム法相(元検察庁長官)、タクシン派与党プアタイ(タイのため)のプームタム幹事長、ウィロート副党首(元副首相)、タクシン派団体「反独裁民主戦線(UDD、通称赤シャツ)」のジャトゥポン会長、ナタウット副商務相ら。これに、プラユット陸軍司令官、プラジン空軍司令官、ナロン海軍司令官、アドゥン警察長官、選挙委員らが加わった。首相代行のニワットタムロン副首相兼商務相は出席しなかった。

 会合は約2時間半続いた。話し合いの具体的な内容は明らかになっていない。

 今回の政争で、反タクシン派は、議会下院選を妨害し、タクシン派内閣を総辞職させた上で、反タクシン派が優勢な上院で新政権を発足させるというシナリオを描いている。これに対し、政府・与党は、上院での首相選出は違憲だとして、速やかに下院選を実施すべきと主張。双方の溝は深く、特に、ステープ元副首相はこれまで、あらゆる交渉を拒否していた。

 政治危機の当事者が顔をそろえたという意味で、今回の会合は画期的だ。交渉が決裂した場合、プラユット陸軍司令官は本格的なクーデターに移行して、憲法を停止し、暫定政権を樹立するとみられる。ただ、軍主導でことが進むというレールはすでに敷かれており、クーデターや憲法停止という外聞の悪い事態を避けつつ、落とし所を探ることになりそうだ。

 タクシン派インラク政権は昨年、タクシン派と反タクシン派の政治抗争で投獄、訴追された人に包括的な恩赦を与える恩赦法案の成立を図った。この法案が成立すると、汚職で実刑判決を受け国外逃亡中のタクシン元首相の帰国が可能になるため、民主党は10月から、バンコクで大規模な反タクシン・反政府デモを開始した。インラク首相は12月、民意を問うとして、下院を解散、総選挙に打って出たが、今年2月の下院選は、民主党が選挙をボイコットした上、同党の地盤のバンコク、南部などで反政府デモ隊による投票妨害があり、全国375の選挙区のうち28の選挙区で投票が行えなかった。これを受け、憲法裁は3月、下院選を無効とする判決を下した。憲法裁はさらに、今月7日、官僚人事をめぐる権力乱用を理由に、インラク首相ら10閣僚を事実上解任した。

 タクシン派政権は選挙管理内閣で権限が限定されている上、首相を失い、半ば漂流状態となっている。首相府はデモ隊に封鎖・占拠され、臨時首相府として使用してきた国防次官事務所からも今月20日に追い出された。
《newsclip》

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