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中国:李嘉誠氏の肝入り、米国発「人工タマゴ」が香港に上陸

2014年5月29日(木) 13時01分(タイ時間)
【中国】33歳の米国人、ジョシュ・テトリック(Josh Tetrick)氏の開発した「人工タマゴ」を原料としたマヨネーズが、29日から香港のスーパー最大手「百家超市(parknshop)」で販売を開始する。

 植物から栄養分を抽出して作られた人工タマゴは、本物と比べて味が劣らないばかりか、栄養価は25%高い。一方で販売価格は本物の半値だという。「人工タマゴ」を開発したのは、ジョシュ・テトリック氏が創立したハンプトン・クリーク・フーズ。今年初め、アジア有数の富豪として知られる香港の李嘉誠氏率いるベンチャーファンド「Horizon Ventures」(同ファンドの収益の9割は李嘉誠基金会に計上される)から2300万米ドル(約23億4200万円)の出資を受けた。李嘉誠氏はこれについて、「世界の人口増加に伴う食品需要の拡大につれ、高効率でより環境に優しい食材が必要となっている」と、投資価値を説明している。

 「人工タマゴ製マヨネーズ」の香港での小売価格は、1ポンド(約456グラム)当たり2.99香港ドル(約39円)。破格の安さだ。先ごろ、広東省広州市の食品見本市に参加したテトリック氏は、「百家超市での3カ月間の売れ行きを見て、香港の他のスーパーでも売り出す予定だ」と計画を明かした。人工タマゴ製クッキーの商品化も予定しているという。そして同氏は、中国本土の巨大市場にも目を向けた。中でも成長著しい西洋菓子市場にまずは狙いを定める模様だ。中国の同業界は毎年36%のピッチで急拡大し、2012年の市場規模は1036億人民元(約1兆7000億円)に達した。13年は1500億人民元(約2兆4000億円)規模に拡大した模様だ。ケーキを始めとする西洋菓子は、商品コストの0.8~1.2%が卵で占められている。業界規模から換算して、同社にとって魅力的な市場であることは間違いない。

 だが、これに対して広州市の飲食業界関係者は否定的な見方。「西洋菓子に卵を使う理由は、香りを引きたて、小麦の発酵を促し、口当たりをまろやかにするためだ。これらすべての効果が得られなければ、人工タマゴが短期間で本物に取って代わることは難しい」と分析する。

 一方で、中国が誇る伝統菓子「月餅」に人工タマゴを使える可能性を指摘する業界関係者もいる。アンとなる塩玉子の油脂・色素成分が安全基準値を超えるとの理由で、中国製の月餅は海外への輸出を実現できていない。人工タマゴを原料に使えば、この問題がクリアできるというのだ。だが月餅製造側は人工タマゴに対して拒絶的な構え。広州市内のレストラン関係者は、「うちで作る月餅は、厳重な飼育管理下で育てたカモの卵を使用している。やはり伝統菓子には伝統的な材料を用いるべきだ」と話した。

 李嘉誠氏肝入りの人工タマゴ。中国市場に受け入れられるのかどうか。今後の成り行きが注目されるところだ。
《亜州IR株式会社》

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