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中国:カオス状態の動物用医薬品市場、ペットに人間用処方

2014年6月6日(金) 13時37分(タイ時間)
【中国】ペットに人間用の医薬品を処方する違法が中国で横行している。

 政府は2004年11月に施行した「獣薬管理条例」の中で、こうした行為を禁止した。しかし動物病院では、今も一般的に脱法しているのが現状。この背景には、動物用医薬品の供給量の低さや、種類の少なさといった問題が存在する。供給が需要に追い付いていない現実があるようだ。

 動物用医薬品業界を巡っては、価格設定やネット販売行為についても管理が徹底されていない。市場全体が混乱(カオス)状態にある中、業界の成長促進、監視強化が求めらる状況にある。

 「獣薬管理条例」では、動物の治療に人間用の医薬品を使用した場合、1万~5万人民元の罰金を科すと定めている。しかし、実際の医療現場では、違法と知りながらも人間用の医薬品が使用され続けている。この状況について医療関係者は、動物用薬の種類の少なさを理由として指摘。「たとえば動物用のブドウ糖液はなく、治療の必要性から人間用を投与せざるを得ない」とやむを得ない選択である点を強調した。

 実際、中国では犬や猫などのペット向けの医薬品を専門に生産している企業は20~30社にとどまる。しかもその多くが家畜用医薬品を生産し、ついでに少量を供給している状態だ。

 中国獣医協会信息センターのまとめによれば、農業部が2013年に認可した動物用新薬は合計40種。うち犬・猫向けの新薬はわずか4種と、全体の1割にとどまった。しかも、どれもノミ・ダニ駆除薬に限られている。新薬研究への取り組みも停滞。国内の動物用医薬品メーカーの開発投入コストは、同年売上高に占める比率で6.39%に過ぎない。先進国に比べて大きな開きがあった。

 価格管理も不徹底だ。動物病院で200人民元で処方された医薬品が、ネット通販サイトで25人民元で売られていた――というケースが報告されている。さらに動物用処方薬については、動物病院から出された処方せんの提示を受けた場合にのみ販売を許可する新ルールが今年3月から施行。ネット販売が実質禁止された。しかし今でも、動物用処方薬は通販サイトで堂々と販売されている状況にあるという。
《亜州IR株式会社》

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