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政治、経済、司法、教育…  改革掲げるタイ軍政

2014年6月30日(月) 16時45分(タイ時間)
【タイ】5月のクーデターで全権を掌握したプラユット陸軍司令官はテレビ演説などを通じ、政治、司法、経済、教育に渡る幅広い改革に取り組む姿勢を見せている。

 しかし、クーデターから1カ月以上たった6月末時点で、改革の方向性、具体的な内容は不透明で、プラユット司令官が自ら区切った1年の間に広範な改革を成し遂げられるかどうかには疑問符がつく。また、時間を区切ったことで、次回の選挙でタクシン元首相派の復活を予想する官僚らが改革に真剣に取り組まない可能性もある。

 プラユット司令官は今後の日程として、9月までに暫定政権を設立、暫定憲法を施行し、(軍政が任命する)国会を発足させ、来年9、10月以降に民政移管のための議会選挙を行う方針を示している。自身が暫定政権の首相に就任するかどうかは明らかにしていない。

 治安維持に関しては、戒厳令の適用をできるだけ避け、一般の法律の適用を心がけるとしている。

 経済面では、予算の監視監督委員会を設置し、10億バーツ以上の政府事業について、汚職や事業の妥当性を調べる方針。今年度(2013年10月―2014年9月)予算の執行については、不要な事業を中止させ、公務員の国外視察旅行や公用車の購入を認めない。来年度(2014年10月―2015年9月)予算は歳出総額が今年度比2%増の2兆5750億バーツ、財政赤字2500億バーツを見込み、タクシン派政権のばらまき政策を避け、無駄な歳出を削るとしている。

 投資誘致については、労働集約型産業からハイテク産業に転換を進める方向で恩典政策を見直す。特にバイオディーゼル、太陽光発電、風力発電など、再生可能エネルギー、省エネに重点を置く。

 教育政策については、タイの歴史、規律、倫理、公共心などを重視。ドイツをお手本に、職業訓練教育を改革する考えだ。

 前政権の主要政策のうち、事実上のコメ買い取り制度である「コメ担保融資制度」は今回の収穫期で終了する。同制度をめぐる汚職が理由で、コメ農家の支援策として、生産コストを引き下げる方策を検討する。また、有機農法の奨励、協同組合システムの復活なども掲げた。

 洪水防止、かんがいを目的とした治水事業については、▼関係機関、住民らから意見を集め、プミポン国王の治水事業に沿った形で、総合的な対策をまとめる▼国内の人的資源を活用する――といった基本方針を打ち出した。前政権はホンダ、ソニーなど1000社以上の工場が水没した2011年のタイ中部大洪水の再発防止を掲げ、総額3500億バーツの大規模な治水事業を打ち出した。昨年6月に入札を実施し、韓国水資源公社などが落札したが、政局の混乱で正式な契約には至っていない。前政権は外資に事業をほぼ丸投げする形だったが、軍政はタイ国内の組織、人材を活用し、計画を練り直す考えのようだ。

 小学1年生全員にタブレット端末を無料で支給する政策も廃止が決まった。タブレット事業の予算約70億バーツは別事業に回す。

 周波数1800メガヘルツ帯と900メガヘルツ帯の事業者入札は不正の有無を調査するため延期する。
《newsclip》


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