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ヤマト運輸、「安全運転教習プログラム」をマレーシアに輸出

2014年10月21日(火) 13時00分(タイ時間)
【マレーシア】ヤマト運輸は20日、マレーシアの民間自動車教習所大手メトロ・ドライビング・アカデミーと提携すると発表した。

 交通安全指導ノウハウをパッケージ化した指導者向け「安全運転教習プログラム」を提供するほか、商業ドライバーを対象としたマレーシア政府認定の国家職業技能基準(NOSS)の開発に協力する。

 マレーシアは人口10万人あたりの交通事故死亡率が24・6人で、日本の4・5人の約5倍に上る。マレーシア政府は高い交通事故死亡率の一因となっているトラックやタクシーなど商業ドライバーの運転技術と社会的地位の向上を目的に、2012年に商業ドライバーを対象にしたNOSSの導入を決定。NOSSの開発プロジェクトに参画するメトロ社はヤマト運輸の交通安全指導ノウハウを高く評価し、今回の契約に至った。

 「安全運転教習プログラム」は商業ドライバーに高水準の安全教育を行うための指導者向け教習プログラム。商業ドライバー個人の性格や行動特性を把握する「運転適性診断システム」を導入するとともに、ヤマト運輸の安全指導の専門職である安全指導長をマレーシアに派遣し、個々のドライバーに合わせた効果的な指導ノウハウ、さまざまな交通安全指導ノウハウを直接伝授する。

 第1段階として、「運転適性診断システム」を導入する。日本で実施しているヤマト運輸の運転適性診断をマレーシアの国民性や交通事情などに合わせてカスタマイズし、運転操作や視覚機能の測定、性格診断などを1台のパソコンにワンストップ化し、マレー語で受診できる独自の「運転適性診断システム」を開発、メトロ社に導入する。商業ドライバー個人の特性を科学的に診断し、安全運転に対する意識の高さや周囲の交通状況に応じた適切な判断力などをデータ化することで、個人の長所と短所に合わせたきめ細かな指導が行える環境を整備する。個々の運転適性診断データは指導者が容易に閲覧・出力できるとともに、商業ドライバーが誰でも簡単に受診できるよう、操作性に優れた最新のタッチパネル方式を採用する。

 商業ドライバーが運転適性診断を受診すると、性格や行動特性、運転の留意点などを客観的に分析した運転適性診断データが出力される。例えば、診断データで運転操作が遅れがちな傾向がある場合、車間距離を十分に取って走行するなど、指導者が商業ドライバーに事故を未然に防止するための適切なアドバイスが行えるよう、安全指導長は指導者に運転適性診断データの活用方法を指導する。

 添乗教習では、指導者が商業ドライバーに添乗し、発進時や走行中などに安全確認不足や運転操作に問題が無いかなど、個人の運転技術に応じた的確な安全指導を行う。安全指導長は指導者に、交通状況に応じた安全運転が行われているかを確認する、ヤマト運輸独自の添乗教習票の活用方法や適切な運転操作教習の方法を指導する

 「安全運転教習プログラム」は計58時間で、全7日間のコースが基本。さらに、指導者が「安全運転教習プログラム」を活用し、商業ドライバーに的確な安全教育が行えているか、年3回のテストを実施するなど、万全なアフターフォローで、交通安全指導をサポートする。

 「安全運転教習プログラム」の料金はプログラムのライセンス使用料としての基本料金と、運転適性診断システムの使用頻度やプログラム毎の安全指導長の指導時間に応じた従量課金制。メトロ社はノウハウの蓄積に要する手間や時間、コストを低減しながら、指導者の安全運転教習力を短期間で向上することができる。

 第2段階では、マレーシアの交通事情にローカライズした「デジタル式運行記録計」を教習車両に搭載し、急発進や急ブレーキ、バック回数などの個人の「走行データ」を取得、運転操作・走行記録の「見える化」を図る予定だ。ヤマト運輸は日本国内の集配車両約3万2000台に搭載している安全エコナビゲーションシステムを活用し、個別に効果的かつ具体的な安全指導を行うことで、導入以降、交通事故発生率を15%削減、日本国内の事業用貨物自動車と比較しても約半分の発生率と大きな効果を得ている。

 2016年度には、クラウド型「ヤマト安全運転指導管理システム」の運用開始を目指す。ヤマト運輸が日本国内で1995年から蓄積している交通事故の原因や発生時間などの事故状況、運転経験年数や睡眠時間などの運転者情報といった「安全管理データ」を活用。「運転適性診断データ」、「走行データ」を「安全管理データ」と情報連携させることで、より精度の高い「安全運転トレーニングメニュー」を導き出し、指導者がより一層、商業ドライバー個人の運転特性に合わせた個別指導を行えるシステムを構築する予定だ。
《newsclip》

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