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中国:無期懲役のウイグル族学者、財産差し押さえで家族困窮

2014年10月31日(金) 14時58分(タイ時間)
【中国】「国家分裂罪」が適用され無期懲役の一審判決を受けた中国・中央民族大学(北京)のウイグル族学者、イリハム・トフティ氏(44歳)の家族が窮地に陥っている状況が分かった。

 イリハム氏の妻、古再努爾さん(ウイグル語の中国語表記)によれば、夫名義の銀行口座はすでに当局によって凍結されたほか、85万人民元(約1513万円)の預金も全額没収されたという。このため、イリハム氏の弁護士費用も滞る状態となっている。当面の生活費はイリハム氏の友人らによる支援や中央民族大学図書館に務める古再努爾さんの給与のみとなっている。海外メディアが29日付で伝えた。

 現段階での財産没収に疑問も。イリハム氏の弁護団のひとり、劉暁・弁護士は、先の一審判決ではイリハム氏に対し、無期懲役のほか、政治的権利の永久剥奪、全個人財産の没収も命じらたものの、まだ結審されたわけではないと指摘。最終判決前に個人財産が没収されるのは不当で、暫定的に差し押さえられた可能性が高いと分析している。また同弁護士は10月1日付で、裁判所に対し、イリハム氏の上告状を郵送したことを明らかにした。受理されるかどうかは未定としている。

 イリハム氏は一貫して漢民族とウイグル族の相互理解、少数民族の権利向上を訴えてきた人物として知られる。「国家分裂活動」に関与した容疑で、今年1月15日に自宅で身柄拘束され、取り調べを経て2月末に逮捕、7月末に起訴されている。13年10月末に発生した天安門突入炎上事件に関し、「ウイグル族によるテロと断定すべきではない」と習近平指導部に呼びかけると同時に、日本をはじめとする海外メディアの取材にも積極的に応じていた。

 逮捕直後にウルムチ市公安局はオフィシャルミニブログに、「イリハム准教授(当時)が海外の東トルキスタン独立派勢力と結託している証拠をつかんだ」と情報を開示。06年に同氏が創設した「維吾爾在線(ウイグル・オンライン)」を通じてデマ、事実歪曲による反政府思想を拡散し、民族対立を助長するとともに新疆独立を扇動、分裂活動を行った――などと断定していた。

 ウイグル族のイリハム氏は1969年10月25日生まれの44歳。新疆ウイグル自治区クズルス・キルギス自治州アルトゥシュ市出身。東北師範大学を経て、中央民族大学の大学院を卒業した。09年ウイグル騒乱の際に政府を批判し、一時身柄を拘束された過去がある。逮捕前は民族大学で副教授を務めていた。長女のジェハルト・イリハムさんは現在、アメリカのインディアナ大学に留学し、父親の釈放運動を展開する一方、米国政府に支援を要請している。
《亜州IR株式会社》

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