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「シルクロード基金」創設へ、中国は400億米ドル出資

2014年11月11日(火) 12時55分(タイ時間)
【中国】自国と周辺国のさらなる経済浮揚を狙って、中国政府が交通インフラ整備を主目的とする専用ファンドの「シルクロード基金」を立ち上げる計画だ。

 北京アジア太平洋経済協力会議(APEC)の開催期間中に合わせ、中国の習近平・国家主席は8日、総額で400億米ドル(約7500億円)を拠出し、アジアの交通インフラ建設を推進するための基金を創設すると発表。主に鉄道網、高速道路網の整備に資金を優先的に配分し、近隣やアジア周辺国との関係緊密化を図る新政策を打ち出した。アジアをはじめとする世界各国・地域の投資家を募る。

 バングラデシュ、ラオス、モンゴル、ミャンマー、タジキスタン、カンボジア、パキスタンの7カ国に重点投資する姿勢。2020年までのインフラ整備プロジェクトに関し、毎年7300億米ドルの投資需要が生じるとの認識を明らかにした。地理、産業構造、物資融通面などの優勢を活かすことで、競争力を高めて持続的な経済成長が可能になると解説している。

 勢力圏の拡大を視野に入れて、中国は「一帯一路(シルクロード経済圏および21世紀版海上シルクロードの道)」構想の戦略推進に乗り出した。習国家主席が4日に召集した中央財経指導グループ第8回会議では、「一帯一路」計画が議論されている。「一帯一路」とは、「シルクロード経済圏(中国語で絲綢之路経済帯)」および「21世紀海上シルクロード(同21世紀海上絲綢之路)」を併せて省略した名称。中央アジア、南アジア、西アジア、東南アジア、中東ヨーロッパなどの国・地域をカバーする一大経済圏を意味する。習主席は「一帯一路」について、「欧州、アジア大陸を貫き(アジアの)東からアジア太平洋経済圏を結び、西は欧州経済圏に入る」と遠大な青写真を抱いている。

 「一帯一路」がカバーする国・地域は、総人口が約44億人、経済規模が約21兆米ドル(約2421兆円)と膨大。世界全体のそれぞれ63%、29%を占める。これら国・地域の間で、自由貿易協定を結ぶほか、経済開発区の開発や人的交流、物流路線の整備などを進める構想だ。

 アジアインフラ投資銀行の創設に続いて、自国主導で巨大経済圏やその資金源となるインフラ基金の創設を目指す中国。注目の「一帯一路」構想については、第二次大戦後に米国が欧州復興のために推進したマーシャルプランになぞらえ、「中国版マーシャルプラン」とみる向きもある。つまり、資本輸出と同時に、深刻な過剰生産能力を抱える鉄鋼や非鉄、建材、化工製品などの輸出先を確保しようとする狙いがあるという。
《亜州IR株式会社》


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