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中国:自動車ディーラーは“在庫地獄”、業界団体が政府に直訴

2014年12月12日(金) 12時52分(タイ時間)
【中国】業界団体の中国汽車流通協会はこのほど、経営がひっ迫している自動車ディーラーの苦境を訴える書簡を工業和信息化部(工業情報化部)と商務部に提出した。

 在庫圧力の高まりや、ディーラーが置かれている過酷な生存環境の実態を注視すべきだと呼びかける内容。有効な措置を講じて、問題解決に力添えするよう求めている。中国政府系メディアが10日付で伝えた。

 流通段階で自動車在庫が高止まっている要因として同協会は、◆市況に反したメーカーの強気増産、◆自動車業界にみられる現行の生産・販売体制――の2点を列挙。今年に入り、独フォルクスワーゲン(VW)系の上海大衆汽車や、米ゼネラルモーターズ(GM)系の上海通用汽車など多くの完成車メーカーが工場を新設し、能力を大きく増強している点を指摘した。一方、新車販売市場は12年から14年にかけて伸びが鈍化しつつあると説明。これが在庫を大量に積み上げる結果をもたらしていると現状を報告した。さらに現行の生産・販売体制を疑問視。メーカーが生産した分だけ、ディーラーがそれを売りさばかなければならないというメーカー本位の市場が形成されていると訴えた。

 そのうえで、メーカーとディーラー間の対話機会を早期に持つことを提案。◆適正な在庫水準を双方で確認した上で(国際慣例に基づけば0.8~1.2カ月分)、適正範囲を超えた在庫については、メーカーが処分の責任を請け負うこと、◆メーカー・ディーラー間の不平等な契約内容を見直すこと(販売価格が仕入れ値を下回って“逆ザヤ”が発生している車種については、販売価格を見直してディーラーの利益を保証すること)――などを求めた。

 同協会の瀋進軍会長はメディア取材に対し、メーカー側を痛烈に批判した。現行の生産・販売体制は不合理と強調。「市況低迷時でもメーカーは従来の生産計画を押し通し、ディーラーを“貯水池”とみなして仕入れを強要している。出荷ベースの販売実績を伸ばして自らだけ利益を得て、大量の在庫を流通段階へと転嫁。市場需要が鈍化する中で、ディーラーを“在庫地獄”に陥れている」と主張した。

 中国本土の自動車ディーラー業界では、完成車在庫の積み上がりが深刻だ。今年11月の「自動車ディーラー在庫早期警戒指数(VIA)」は65.7に上昇。前月に比べて10.7ポイントも悪化した。年末が近づくなか、通期販売目標の達成に向けたディーラーの難易度は一段と高まりつつある。
《亜州IR株式会社》

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