RSS

中国:「全能神」の構成員19人に有罪判決、非合法布教で懲役2年6カ月~6年

2014年12月12日(金) 12時52分(タイ時間)
【中国】非合法な布教活動などに関与したとして、吉林省延吉市人民法院(裁判所)は10日までに、邪教集団「全能神」の構成員19人に対し、懲役2年6カ月~6年の有罪判決を言い渡した。

 うちリーダー格の王(姓のみ公表)被告と李被告はそれぞれ懲役6年と5年の実刑判決。残る17人については2年6カ月~5年の刑罰が科される。起訴状によれば、王被告らは昨年以来、「全能神」の布教活動を目的に延吉市内で小規模な集会拠点を複数カ所設置。文芸活動(上演)などの名目で、真相を知らない一般市民を勧誘・入信させ、社会の安定と市民生活を著しく脅かしたとされる。集会拠点6カ所からは「全能神」に関する書籍、DVD、掛け軸など3000件超、反社会的な宣伝活動に使用されたPC、プリンター、携帯電話などが押収された。

 今年5月末に強引な布教活動で一般市民が殺害される事件が発生したことを受け、中国当局は全国各地で「全能神」の一斉取り締まりを強化している。6~7月だけでも、「全能神」が関与した非合法な布教活動など500件余りを摘発。教団関係者約1000人の身柄を拘束したとされる。

 こうしたなか、当局は「全能神」信者の脱会にも注力している。全国の共産党委員会は「全能神」に騙されて入信した一般市民に対する教育活動を展開。「全能神」の洗脳から抜け出し、日常生活へ復帰できるよう支援している。また宗教界の関係者や各種メディアも「全能神」の犯罪行為を広く世間に訴えている。

 キリスト教から分派した「全能神」は1970年代に中国本土に入ったとされる。「東方閃電」「実際神」とも呼ばれ、河南省から全国に広がった。キリストが生まれ変わった女性が中国に光臨し、人類に審判を下すと布教。「今の中国は、大きな赤い龍(共産党)に支配されている」として、「神の率いる下で共産党を絶滅させる決戦を挑み、全能神が治める国家を打ち立てよう」と呼びかけている。

 中国反邪教協会は先ごろ、中国国内で勢力を拡大している非合法な宗教組織11団体のリストを公表。法輪功、全能神、呼喊派(別名:神的教会、自称:地方招会)、門徒会(別名:三贖基督など多数)、統一教(世界基督教統一神霊教会)、観音法門(中華民国禅定教会)、血水聖霊(耶蘇基督血水聖霊全備福音布道団)、全範囲教会、三班僕人派(別名:真理教会)、霊仙真仏宗(別名:霊仙真舎総堂)、中華大陸行政執事站が名指しされた。この11団体のほか、霊霊教、華南教会、被立王、主神教、世界以利亜福音宣教会、圓頓法門、新約教会、達米宣教会、天父的児女などの団体も、中国本土で違法な布教活動や集会、慈善活動などに従事していると非難している。

 中国では共産党の指導範囲に基づく「信仰の自由」は認められているもの、党の許可を得ていない宗教は邪教として弾圧される。その一方、中国社会で貧富の差が拡大するなか、精神的な拠り所や救いを求めて、新興宗教に入信する人が急増しているようだ。
《亜州IR株式会社》


新着PR情報