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中国:労働力コストの優位性喪失、賃金上昇ペースは鈍化へ=社科院

2014年12月17日(水) 13時21分(タイ時間)
【中国】政府系シンクタンクの中国社会科学院(社科院)・工業経済研究所は15日に発表したリポートで、「労働力コスト面で中国の優位性はすでに失われた」との見解を示した。

 中国の給与水準は過去10年間で大幅に上昇し、製造業の平均賃金が東南アジア・南アジアの大半の国を上回っているため。今後の賃金上昇ペースは鈍化に向かうと予測している。

 中国では2010年以降、各地で最低賃金の引き上げが実施され、平均賃金が2ケタのペースで伸び続けてきた。11年に最低賃金を引き上げた省は24カ所、平均上昇率は22%に達する。12年は25省で平均20%、13年は27省で平均17%の引き上げが実施された。その結果、中国の平均賃金は東南アジアや南アジアの大半の国を上回る水準まで上昇している。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が昨年12月から今年1月にかけて実施した調査によると、上海の一般的な従業員の基本月給は495米ドル。これはクアラルンプール(マレーシア)の1.15倍、バンコク(タイ)の1.35倍、マニラ(フィリピン)の1.88倍、ジャカルタ(インドネシア)の2.05倍、ハノイ(ベトナム)の3.19倍、プノンペン(カンボジア)の4.90倍、ダッカ(バングラデシュ)の5.76倍、ヤンゴン(ミャンマー)の6.97倍という高い水準だ。

 ただ、国内景気が鈍化し、企業業績が低迷するなか、中国の賃金上昇ペースは減速する見通し。中国政府が進める経済の構造改革も、賃金の伸びを抑える要因になると分析した。政府は減税などの措置を通じ、給与水準の上昇と企業の発展を促すための環境づくりに注力すべきと、同リポートは指摘している。
《亜州IR株式会社》


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