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BYD、急落めぐる複数観測をすべて否定

2014年12月21日(日) 18時23分(タイ時間)
【中国】18日の香港マーケットで急落した比亜迪(BYD:1211/HK)は、急落の要因として浮上した観測をすべて否定した。

 BYDの株価は18日後場に入り急落。およそ45分間で43%も下落した。その後、下げ幅をやや縮小したとはいえ、終値は前日比で29%安を記録して引けている。

 急落の要因をめぐっては、(1)著名投資家バフェット氏が保有株を売却した、(2)王伝福・董事長が取り調べを受けた、(3)H株を大量保有する本土の投資家が一気に売却した、(4)ロシアルーブルの急落で為替損失が発生した、(5)電気自動車、電池の生産拠点で問題が発生した――など、さまざまな憶測が浮上した。

 ただ、会社側は緊急に開催した電話会議で、これらの観測を否定。まず、(1)に関しては、「株価急落後、バフェット氏と連絡はとっていないが、最近接触した際、特に持株を減らす意向がみられなかった。しかも、18日の急落ぶりを見る限り、バフェット氏の売り方ではない」と説明した。(2)については、荒唐無稽であると一蹴。過去2日、王・董事長は会議に出席しており、大きな動きはないという。(3)については、「同様のうわさは聞いたが、証拠はない」と指摘。(4)に関しては、「ロシアの販売が100万米ドルにも満たないうえ、現地の業務は主に米ドル建て決済であるため、為替損失が発生しない」と否定した。(5)については、「電動バスやハイブリッド車、従来型自動車などの経営は、内部からみて大きな問題はない」と説明した。

<新エネルギー自動車は道半ば、補助金依存の体制に危うさも>
 BYDを巡っては、バフェット氏から個人投資家まで投資家の関心を集めているのが新エネルギー車だ。同社が得意とする分野であるため、将来の収益源として期待されている。ただ、新エネルギー車の普及は依然として道半ばの状況にあるほか、同社が手掛ける従来型車の事業も苦戦。しかも、同社の経営体質は政府補助金に依存する構造の危うさが指摘されている。

 BYDは昨年、正式にハイブリッド車「秦」を投入。中国汽車工業協会によると、今年1~11月の販売台数は約1万3000台に上り、国内プラグインハイブリッドカー市場で6割超のシェアを押さえた(新エネルギー車全体では約3分の1)。

 同社の従来型自動車(ガソリン車)事業については、今年1~6月期の販売台数が18万台と新エネルギー車を大幅に上回る。とはいえ、従来型自動車の販売は必ずしも順調ではなく、その伸び悩みによって、1~9月期の純利益は前年同期比16%減の3億8800万人民元に落ち込んだ。通年の純利益は、前年比9.6~22%増の4億3000万~5億人民元程度と見込まれている。

 BYDの純利益は主に政府の補助金によるもの。1~9月期の補助金は4億7700万人民元と、同社の業績規模からみると多額で、同補助金への依存体制が透けて見える。何かと投資家の注目を集めやすいBYDだが、株価の安定には本業の確固たる業績の裏づけが必要といえそうだ。

 BYDには、米著名投資家バフェット氏が戦略投資家として資本参加している。09年7月、バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイ傘下のミッドアメリカン・エナジー・ホールディングスに新H株2億2500万株を割り当てた(1株当たり価格は8.00香港ドル)。
《亜州IR株式会社》


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