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中国:北京市で新手ビジネス、戸籍と仕事をまとめて斡旋

2015年2月10日(火) 13時18分(タイ時間)
【中国】「戸籍と仕事、まとめて斡旋します」――。

 北京市で市の戸籍と仕事の斡旋をビジネスにする仲介業者が急増している。ハイテク企業に与えられた年間5~6人分の人数枠を使って、北京市戸籍を取得できる制度を利用したもの。ある仲介業者によると費用は23万5000人民元。中には40万~50人民元(約760万8600~951万750円)が必要なケースもあるという。中国政府系メディアが6日付で伝えた。

 販売対象となるのは、卒業を控えた大学生。仲介業者によると、紹介料は数年前まで6万~7万人民元だったが、最近では20万人民元でも必ずしもあっせんが保証されないまでに上昇している。

 日系企業に勤務する女性は、2004年に北京語言文化大学を卒業した。1万人民元余りの費用で北京市戸籍を取得できたという。同じ年に別の大学を卒業した男性も、約2万人民元で同市戸籍を取得。07年に男性の友人が取得する際には7万人民元を支払っている。

 しかし、ここ数年では相場は2倍以上に上昇した。ある女性が今年、仲介業者4~5社に問い合わせたところ、13万人民元程度が相場だったと話す。女性の親戚は、30万人民元を支払って戸籍を取得したという。

 北京市の現行政策では、◆配偶者を頼った戸籍取得、◆子女を頼った戸籍取得、◆公務員になる、または一部企業に入社しての取得、◆北京で勤務する博士号取得者、◆海外留学経験者、◆大卒の村長、◆政府が認めた人数枠で市戸籍が取得できる企業向け制度「進京指標」の利用、◆各種特殊な人材導入計画の利用――の合計8通りの方法で市戸籍の取得が可能だ。しかし、これらの条件を満たすのは、多くが金融関連、文化クリエーティブ、ソフトウエア、集積回路、北京市で投資する企業などのハイテク企業などに限られ、大卒者にとっては難関中の難関という。

 北京市の2013年の大卒者は22万9000人。うち北京市以外の出身者は約14万5000人だったのに対して、同市戸籍取得の人数枠は1万人程度だった。

 大卒者が北京市戸籍の取得にこだわる背景には、市戸籍を保有するか否かで、生活コストが大きく異なることがある。まず北京市戸籍がなければ、同市で住宅を購入できない。不動産抑制策で、住宅購入には市戸籍保有が条件となっているからだ。

 さらに北京市戸籍を保有すれば80余りの福利があるとされる。中でも住宅購入と教育費の2項目だけで、戸籍は54万人民元程度の価値があるという。市戸籍保有者は、76平方メートルの中・低所得者向け公共住宅「経済適用房」の申請資格を持つことができ、42万人民元で購入が可能。一方、市戸籍を持たなければ、市場価格である180万人民元で購入することとなり、140万人民元程度の価格差が発生する。
《亜州IR株式会社》

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