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中国:外資撤退、委託工場の倒産… 「世界の工場」東莞市に危機

2015年2月24日(火) 12時54分(タイ時間)
【中国】かつて「世界の工場」と呼ばれた中国南部の珠江デルタ地域。その象徴ともいわれる中国有数の工場都市・東莞市(広東省)で今、製造業が厳しい局面を迎えている。

 同市製造業の目覚ましい発展を支えてきた委託加工ビジネスの経営環境が悪化しているため。さらに台湾企業や外資系企業の撤退も痛手となっている。博訊などが23日付で伝えた。

 同市では足もとで、委託加工企業の倒産ラッシュが起きている。昨年12月、携帯電話の部品サプライヤー大手である蘇州聯建科技が倒産を発表する中で、その兄弟会社である東莞市の2社が相次ぎ経営破たんした。さらに今年1月には、同じく携帯部品製造を営む東莞市奥思叡徳世浦電子科技のオーナーが1億3500万人民元の負債を抱えて失踪。従業員400人が突然職を失った。またノーブランド携帯電話製造の東莞兆信通訊が資金繰り悪化で倒産。1000人以上が失業し、董事長の高民氏が自殺未遂に追い込まれている。

 こうした背景にあるのが、資金繰りの悪化だ。海外受注が減る中で、過去の大規模な投資を回収できていないという。聯建科技グループはその典型例。アップルからスマートフォン「iPhone」向け液晶パネルの受託生産を受けていた当初、大規模な設備投資を行った。しかしこれらの設備は「iPhone4s」までのモデルに対応したもの。液晶パネルをさらに薄くした「iPhone5」向けへの出荷に切り替わると、品質の低さ、コストの高さからアップルから契約を打ち切られたという。このほか、ノキア向けに携帯向け操作ボタンを製造していた江蘇省蘇州の委託加工会社が、タッチパネルへの切り替えに応じてサプライヤー契約を解消され、倒産に追い込まれている。

 さらに外資企業も中国から工場を撤退させている。ロー・ミドルエンド製品製造分野における東南アジア諸国への拠点シフトと、ハイエンド製品製造分野における外資の本国回帰の動きが目立ってきた。ユニクロ、ナイキ、サムスン、台湾・鴻海精密工業などの大手が東南アジアに新工場を建設し、生産拠点の切り替えを加速させている。さらに、パナソニック、ダイキン、シャープ、TDKなどの日本企業の間では、工場の本国回帰を推進する動きが出てきた。

 これらの決定要因の一つとされるのが、珠江デルタ地域の人件費上昇。広東省の人件費は足もとで台湾に迫る水準まで上がってきた。2014年は労働者の平均月給が前年に比べて200人民元多い3200人民元(約6万900円)まで上昇したという。
《亜州IR株式会社》


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