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〈タイ業界事情〉 タイでのERPシステムの特徴と今後

2015年2月26日(木) 02時22分(タイ時間)
〈タイ業界事情〉 タイでのERPシステムの特徴と今後の画像
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〈タイ業界事情〉 タイでのERPシステムの特徴と今後
BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
難波 孝次 氏 (Managing Director)

 反政府デモに始まる政情不安と、2011年から2012年にかけて実施されたファーストカー減税政策での需要の先食い現象による自動車販売の低迷など、2014年のタイは国内経済において厳しい年だったが、年末辺りにどうやら景気の底を打ち、今年2015年は明るい兆しが見えてきそうな印象を受けている。ただ、最低賃金の改定に伴って労務費は依然、上昇傾向を強めており、そういった状況の中でタイにおけるERPシステム業界は、現状どのような特色を帯びているのか、今後どういった形で発展していくのか、が注目されている。

各品目単位での製造実績原価算出

 弊社でこの数年、お客様からの依頼で増えているのが「各品目単位での製造実績原価算出」システムのモジュールだ。一般的な製造原価報告書であれば、会計システムを導入するだけで作成は可能だが、同報告書では、部門単位でのトータルの数字しか把握できないため、利益が全体的に上がっているかどうかについては分かるが、その中に採算性の悪い品目が含まれていたとしても、それを見つけ出すことは困難だ。

 弊社開発のシステムでは、各生産工程ごとに「どういった勘定科目の費用」を「どれくらいの比率で配分」するかを具体的に登録して、生産数量もしくは生産時間によって、生産品目への費用配分を各月ごとに行うことにより、個別実勢原価を自動算出するという機能だ。

 同システムが打ち出す資料であれば、品目ごとに実際どれだけの製造原価がかかっているのかを、つかむことが可能。各々の販売単価と比較することによって、利益率が著しく低いものや場合によっては原価割れしている品目を抽出、販売単価の見直しや生産継続の要否を検討できるようになっている。

 「品目ごと」「生産工程ごと」に分けた各種勘定科目の数字もまとめられるため、外注加工委託の検討が必要な工程の有無や、どの費用を削減対象にするか否かといった分析も容易だ。

社内情報を自動でメール送付

 先のシステムと同様にお客様からの依頼が増えているのが、社内情報を自動でメール送付する機能だ。ERPシステム内の情報を元に、重要な情報のみを切り取ってあらかじめ登録されているアドレスに対してメール送付を行う。

 具体的には、商品在庫をリアルタイムで監視し、このままだと在庫がショートしてしまう品目や、得意先からの要求納期に間に合いそうにない受注データなどを自動抽出し、それらの情報を担当マネジャーに対してメールに添付して送付する。ほかにも、電子承認が必要なデータ、品質管理上で重要なデータ、やはり最近になってご依頼が多くなってきたJ-SOX(内部統制報告制度)対応のシステムと連動させるなどして、ご利用いただいている。

  担当マネジャーは常時PCの前で監視画面を注視する必要はなく、移動や出張の最中でも、メール受信が行える環境であればリアルタイムで社内の状況を監視できるのが特徴だ。

ERPシステムにおけるタイプラスワン

 最近良く耳にする言葉として、「タイプラスワン」というものがある。前述のとおり賃金が上昇したことに伴い、生産拠点をタイからカンボジア・ラオス・ミャンマー(CLM)といった周辺諸国に移管する、といった動きを指す。「チャイナプラスワン」と異なるのは、生産拠点はあくまでもタイ国内に維持し、生産の流れの中で労働集約的な工程のみを周辺国に移すという点。それに伴って、業務管理を行うERPシステムも少々変則的なものとなる。

 普通に考えれば、周辺諸国でもERPシステムを導入して全く独立させて運用し、タイ拠点のERPシステムとデータ連携が行うのがベター。ただそこで問題となってくるのが、周辺諸国にタイと同様のITインフラが整っているかどうかだ。

 もちろんカンボジアやラオスといった国でも、システム用サーバーを立てて現地に合ったシステムを導入することは可能で、それなりの工数をかけることによってデータ連携を行うこともできる。しかしその環境を実現するコストは諸事情により、タイでのそれと比べものにならないほど大きなものになることが予想される。

 そこで弊社が提案させていただくのが、「ERPシステム・タイプラスワン」だ。生産拠点をタイに残すというコンセプトはそのままで、周辺諸国法人向けERPシステムもタイ法人のサーバー内に残し、各国のデータ管理を行うといった形だ。タイ・各国間はインターネット経由でのWEBブラウザーにてデータを入出力する形を想定している。

 2社間の受発注データから、販売・購買などのさまざまなデータ連携をリアルタイムで行え、データ入力作業の省力化およびデータ品質の向上を図ることが可能となる。

 この形であれば、周辺各国でシステムサーバーを新規に構築する必要がなくなり、コストを格段に抑えられ、また物理的に遠く離れた工場の状況をまるで一つのそれであるかのように把握することができるというメリットもある。

今後の開発環境におけるコスト削減

 弊社のERPシステムは全て自社開発であり、また既にタイ国内の日系企業様だけで60社以上の販売実績があることから、現状でも低価格での提供をおこなわせていただいているが、このたび更に開発コストを削減できる要素が登場した。

 それは、マイクロソフト社が昨年末に、「.NET」をオープンソース化およびクロスプラットフォーム化。開発ツール「Visual Studio」の全機能を備えた無料版「Visual Studio Community 2013」の提供を発表したことで、これに伴い、今まで以上に弊社内での開発コストを抑えられ、またお客様にとってもこれまで有料だった自社内メンテナンス用アプリケーション・ツールを無料で入手できるため、さらなるコストダウンを図れるようになってきた。

 データベースエンジンとして使用しているマイクロソフト社のSQLサーバーも、無償版(Express版)でのサポート可能容量が10GBまでと、かなり大きくなった。スケジュール管理が不可だったり、メモリー上限が決められていたりといった制限はあるものの、データおよび端末数の少ないシステムであれば充分使用に耐えうるものとなっている。 また、将来的に有償版にアップグレードする際に特別な変換作業は不要で、そのままの状態でシステム移行が行える為、まずは「初期投資を抑えるためにExpress版を導入」といった事例が増えてきている。

 このように、タイでのERPシステムのキーワードはまさに「コスト削減」。生産コストの見直しおよび管理コストを削減するためのERPシステム導入であると同時に、ERPシステム自体のコストをいかに落とすかといった点が今後、焦点になってこよう。


BANGKOK TOKI SYSTEM CO., LTD.
住所:333 Lao Peng Nguan Tower 1, 17th Floor, Unit B1, Soi Chaypuang, Viphavadi-Rangsit Road, Chomphol, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2618-8310-1 ファクス:0-2618-8312 Eメール:toki@ksc.th.com
ウェブサイト:www.tbosjpn.com/web_tbos/erp/skk/skk.htm
《newsclip》


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