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中国:解放軍の「売官」実態、司令ポスト巡り計3.9億円の賄賂

2015年3月12日(木) 12時40分(タイ時間)
【中国】中国共産党の政党軍隊に位置付けられる人民解放軍内部の「売官(金品の見返りに官職を授けること)」実態が徐々に明らかとなっている。

 開催中の両会(政治協商会議と人民代表大会)は、人民解放軍幹部による内情暴露合戦の様相を呈している。将校3人が鳳凰電視台のインタビューに答える形で、前・胡錦濤政権下で人民解放軍の制服組トップを務めた2人(後述、中央軍事委員会の前副主席、徐才厚、郭伯雄氏を指す)の「売官」行為を明らかにしている。3人のうち、解放軍軍事科学院軍建部の楊春長・少将は過去に徐氏の秘書を務めた人物。楊氏の証言によれば、各エリアの大軍区(軍管区)司令(首長)の任命に際し、徐・郭氏は2000万人民元(約3億8699万円)の賄賂を受領したとされる。彼らの任命基準は「一に賄賂の金額、二に関係の深さ、三に感情(気分)」。司令ポストを巡り、ある人物から1000万人民元の賄賂を受けても、別の人物が2000万人民元を支払えば、後者を司令に据えていたという。

 楊氏は徐氏について、「軍隊をまるで我が家のように私物化していた」と批判している。さらに人民解放軍内の売官は上層部から末端まで、なかば公然と慣習化しており、昇進には賄賂が必ずついてまわるという。大軍区司令以外にも、同副指令で1000万人民元、軍級で500万人民元、師級で500万人民元、団級で100万人民元、営級で30万~40万人民元、連級で20万~30万人民元、士官(1級~3級)が1万~3万人民元が目安とされる。また組織の末端も例外ではない。新兵に対しては、その父兄から子供を辺境地に赴任させないという口実で賄賂を要求したり、兵士が共産党に入党する際も手数料と称する賄賂を求めたりといった具合だ。

 ではなぜ、これまで暗黙のルールとされてきた人民解放軍内の賄賂制度が両会の場で公になったのか?地位に関係なく「虎(大物政治家・官僚)もハエ(小役人)も叩く」――。習近平政権が党の威信をかけて取り組む反腐敗運動の矛先が人民解放軍に向けられているためだ。こうした将校らの発言はこの動きに迎合したものといえよう。複数の中国メディア情報によれば、昨年4月に収賄容疑で失脚した中央軍事委員会の徐才厚・元副主席(党籍はく奪、訴追決定)に続き、今度は徐氏とともに同委員会副主席を務めた郭伯雄氏にも汚職容疑が浮上しているという。すでに郭氏の親族が当局に身柄を拘束されたとする海外メディア情報もある。中国共産党を守る軍隊の内部に切り込む反腐敗運動の今後の行方が注目される。
《亜州IR株式会社》


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