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タイ南部サムイ島のSCでカーボム、7人負傷 日本外務省が注意喚起

2015年4月15日(水) 23時52分(タイ時間)
【タイ】10日夜、タイ南部サムイ島のショッピングセンター(SC)「セントラルフェスティバル・サムイ」の地下駐車場で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、タイ人6人とイタリア人少女の計7人が負傷し、駐車中の自動車数台と駐車場の天井、壁などが破損した。

 爆弾が仕掛けられたピックアップトラックはマレー系イスラム武装勢力によるテロが続くタイ深南部ヤラー県で先月、盗難届が出ていた。爆弾は硝酸アンモニウムを使用し、深南部のテロで使用されるものと似たタイプだという。

 ただ、タイ軍事政権は今回の事件が軍政と対立するタクシン元首相派による犯行という見方を再三にわたって示唆し、イスラム武装勢力の関与に否定的だ。

 事件が起きたサムイ島は多数の外国人が訪れるタイ有数の観光地。政治的にはタイの2大政党の一つで反タクシン派の民主党の地盤だ。

 「セントラルフェスティバル・サムイ」を運営するタイ小売り大手セントラルグループは2010年、バンコク都心の大規模SC「セントラルワールド」がタクシン派デモ隊による焼き討ちに遭い、炎上大破した。

 タイでは深南部でイスラム武装勢力によるとみられる爆破銃撃テロが毎週のように起きている。バンコクでも政治抗争絡みとみられる爆弾テロが度々起き、今年2月には都心の高架電車BTSサイアム駅で時限爆弾が爆発した。

 今回のサムイ島での事件を受け、日本の外務省は13日、タイへの渡航に注意を呼びかけた。


〈タクシン派vs反タクシン派〉
 タイでは2006年以降、東北部と北部の住民、バンコクの中低所得者層の支持を集めるタクシン元首相派と、特権階級、南部住民とバンコクの中間層を中心とする反タクシン派の抗争が続き、政治・社会が混乱している。
 反タクシン派はタクシン氏を反王室の腐敗政治家と糾弾し、2006年の軍事クーデターでタクシン政権(2001―2006年)を打倒した。タクシン派は2007年の民政移管選挙で勝利したものの、2008年に「司法クーデター」と呼ばれた裁判所によるタクシン派与党解党で反タクシン派に政権を奪われた。反タクシン派政権下の2009年、2010年、タクシン派は、特権階級が軍官財界を動かし民主主義や法治をねじまげているとして、政権打倒のデモを行い、2010年のデモでは治安部隊との衝突で、市民、兵士ら91人が死亡、1400人以上が負傷した。
 タクシン派は2011年の下院総選挙で再度勝利し、タクシン元首相の妹のインラク氏が首相に就任した。しかし、2013年10月から、インラク政権打倒を目指す反タクシン派市民のデモがバンコクなどで拡大。2014年1、2月には数万人がバンコクの主要交差点を長期間占拠した。5月に入り、軍が治安回復を理由に戒厳令を発令、クーデターで政権を倒し、全権を掌握した。軍は当初、両派の和解を目指すとしていたが、タクシン派の官僚、軍・警察幹部のほとんどを左遷し、地方のタクシン派団体を解散に追い込むなど、タクシン派潰しを進めた。今年1月には、軍政が設立した非民選の暫定国会「立法議会」が、「コメ担保融資制度をめぐる職務怠慢」でインラク前首相を弾劾にかけ、前首相の参政権を5年間停止した。


〈タイ深南部〉
 マレーシアと国境を接するタイ深南部(ナラティワート県、ヤラー県、パタニー県の3県とソンクラー県の一部)には、もともとイスラム教徒の小王国があったが、1902年にタイに併合された。現在も住民の大半はマレー語方言を話すイスラム教徒で、タイ語を話せない人も多い。タイ語、仏教が中心のタイでは異質な地域で、行政と住民の意思疎通が不足し、インフラ整備、保健衛生などはタイ国内で最低レベルにとどまっている。
 深南部のマレー系イスラム教徒住民によるタイからの分離独立運動は断続的に続き、2001年から武装闘争が本格化。2004年4月には、警察派出所や軍基地を襲撃した武装グループをタイ治安当局が迎え撃ち、1日で武装グループ側108人、治安当局側5人が死亡した。同年10月にはナラティワート県タークバイ郡で、住民の逮捕などに反発したイスラム教徒住民約3000人が警察署前で抗議デモを起こし、治安当局による発砲などで7人が死亡、約1000人が逮捕され、逮捕者のうち78人が軍用トラックで収容先に移送される途中、窒息死した。両事件でマレー系イスラム教徒住民のタイ政府への反発は強まった。
 タイ政府は常時10万人以上の兵士、警官を深南部に送り込み、力で鎮圧を図ってきたが、現在も連日、銃撃、爆破、放火事件が起き、事態が改善するめどは立っていない。
《newsclip》

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