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横領のカネが新興寺院へ タイ仏教界に激震

2015年5月18日(月) 00時54分(タイ時間)
タンマカーイ教団の画像
タンマカーイ教団
写真提供、www.dmc.tv
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タンマカーイ教団
写真提供、www.dmc.tv
【タイ】金融機関を舞台とした巨額の横領事件で、タイの新興仏教団体タンマカーイ寺が横領容疑者から巨額の寄付を受けていたことが明らかになった。

 タンマカーイはタクシン元首相派の支持組織として知られる上、タイの正統仏教組織の上層部に深く食い込んでいる。事態は政治抗争、仏教界の腐敗といった問題もはらみ、タイ社会を揺るがしている。

 発端となったのは、バンコクのクロンジャン信用協同組合で2013年に発覚した横領事件。同信組のスパチャイ元理事長が信組の預金額のほとんどに当たる120億バーツ以上を横領し、国外に送金したり、関連企業に横流しした疑いが強まり、当局はこれまでに、元理事長と関係者の資産数十億バーツ相当を差し押さえた。

 さらに、捜査の過程で、元理事長が2009年以降、信組の金を流用し、教祖のプラタマチャヨー僧らタンマカーイの僧侶と寺に10億バーツ以上を寄付したことが判明。捜査当局はプラタマチャヨー僧に出頭を求めているが、同僧は病気を理由に2カ月近く出頭を拒否している。クロンジャン信組とタンマカーイについては、資金洗浄取締委員会、検察庁なども捜査に乗り出す構えを示している。

 タンマカーイをめぐるスキャンダルはこれだけにとどまらない。

 2013年に死去したタイ仏教の最高指導者、大僧正は1999年に、プラタマチャヨー僧が信者から寄付された2・4平方キロの土地や現金を自分名義にしていたことなどを問題視し、プラタマチャヨー僧を強制還俗させるべきと判断、こうした考えを記した手紙を、タイのサンガ(仏教僧団)の「内閣」に近い機能を持つタイ・サンガ最高評議会に送った。しかし、大僧正はその後、体調を崩して指導力が発揮できなくなり、サンガ最高評議会は2006年、プラタマチャヨー僧が寄付された土地、現金の名義をタンマカーイ寺に変更したとして、この問題を不問に付した。

 国の改革方針を議論するためタイ軍事政権が設置した国家改革議会は今年2月中旬、この問題を取り上げ、サンガ最高評議会に、大僧正の意思を尊重するよう迫った。しかし、サンガ最高評議会は2月20日、2006年の決定を支持する最終決定を下し、議論を葬り去った。一部の僧侶はサンガ最高評議会の決定に強く反発し、信者に対し、サンガ最高評議会のボイコットを呼びかけるとともに、タンマカーイや、サンガ最高評議会を率いる大僧正代行が住職を務めるパクナムパーシージャルーン寺の資金の流れを調べるよう、国家改革議会や捜査当局に訴えた。タンマカーイは2012年にパクナムパーシージャルーン寺に重量1トンの黄金像を贈るなど、関係が深い。

 タンマカーイは1970年代からバンコクの中間層、富裕層の間で急速に広がった。カリスマ的な教祖、バンコク郊外の巨大で前衛的な寺院、整然として視覚効果の高い儀式などで知られ、集金能力、資金力はタイの仏教寺院随一とされる。タンマカーイのもう一つの顔は、タクシン元首相とのつながりだ。タクシン派幹部は「タンマカーイはタクシン派の強力な支持基盤のひとつ。反タクシン派・保守派が宗教面でもタクシン派潰しに動き出した」などとコメントした。
《newsclip》

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