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中国:「万里の長城」の消失進む、自然災害や人為的破壊で

2015年7月3日(金) 13時00分(タイ時間)
【中国】中国が世界に誇る「万里の長城」が部分的に姿を消しつつある。

 中国長城学会の調査では、全長の3割に相当する1961キロメートルがすでに消失したことが判明した。風雨の浸食や地震などの自然災害に加え、人為的な破壊も大きな要因だ。こうしている間にも劣化は進行し、世界遺産にも登録されている長城は危機に晒されている。

 国家文物局の発表によると、現存する万里の長城は主に明時代(1368~1644年)に建造されたもので、全長は8851万キロにも及ぶ。うちレンガなどでできた人工壁は6259キロ残っているが、保存状態が「良好」とされている部分は513キロのみ。崩落などで消失した1961キロのほか、「比較的悪い」または「悪い」保存状態にある部分は、あわせて2680キロに上り、全体の43%に相当する。

 名高い観光地として整備されている「八達嶺」、「山海関」とは対照的に、万里の長城の大部分は「野長城」と呼ばれ、長年にわたって放置状態。「夏場の暴雨でも崩落する恐れがあり、一刻も早い調査・修繕が必要だ」と、中国長城学会の董耀会・副会長は懸念を露わにした。

 管理が行き届かないなか、人為的破壊も深刻だ。「野長城」が聳え立つ河北省の風東村という貧しい村では、青色のレンガで建てられた民家が散在。かつて村民たちは、長城外壁を材料に家を積み上げていた。村民も文化財の価値を知った近年は、長城から盗み取ったレンガを売りに出すようになったという。相場は1個あたり40~50人民元(800~1000円)。取材に訪れた記者に対し、ある村民は、「手元にレンガはないが、30人民元で買ってくれるならすぐに拾ってくる」と持ちかけてきた。

 長城の保護、保存について、国内でも意見が分かれている。中国長城学会は「長城は万里だからこそ、世界遺産としての価値がある」と訴え、全面保存を主張。一方、長城沿線は風東村のような貧困地域や、辺ぴなところが多く、地元政府にとって修繕費用のねん出はほぼ不可能だ。観光地として開発することに、前向きな姿勢を示す旅行会社がある半面、観光客の増加で逆に消失が加速すると懸念する声も上がっている。
《亜州IR株式会社》

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