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中国:膨らむ医療費が社会保険基金に圧力、24年は赤字14.5兆円へ

2015年7月13日(月) 22時17分(タイ時間)
【中国】中国で膨らみ続ける医療費が、各地方の社会保険基金の収支バランスを崩している。

 赤字転落を強いられるなど、基金運営が危ぶまれる状況。華中科技大学は以前に発表した「中国医療衛生事業発展報告2014」の中で、都市の就労者を対象とした「都市職工基本医療保険」を対象とした社会保険基金について、2024年には累計赤字が7353億人民元(約14兆5000億円)に膨らむとの試算を示している。経済参考報が13日付で伝えた。

 人力資源和社会保障部がこのほど発表した統計によると、「都市職工基本医療保険」加入者の医療費総額は、14年に7083億人民元に達した。09年比で4218億人民元増え、年間平均2割のペースで拡大した計算となる。急ピッチで医療費が膨らむ中で、社会保険基金の支出圧力は年を追って拡大。報告によると、「都市職工基本医療保険」基金の14年支出は、全国の合計で前年比14.9%増の6697億人民元に達した。伸び率は収入を1.1ポイント上回っている。こうした中で、多くの地方では、社会保険基金の資金残高が健全な運営を維持する上で最低ラインとされる「6~9カ月分の支出需要を満たす」水準から大きくかい離しているという。

 人力資源和社会保障部・社会保障研究所の金維剛所長によると、13年時点ですでに全国の32%に当たる225地域で、「都市職工基本医療保険」基金の支出が収入を上回った。さらにそのうち22地域は、過去に積み上げてきた収支残高すら使い切ったという。都市部の非就労者を対象とした「都市居民医療保険」基金についても、13年は全国108地域で支出超過に陥ったとされ、社会保険基金の運営は困窮を極める状況だ。

 これに対して専門家は、社会保険基金に対する運営監督を強化するのと並行して、商業健康保険(民間の医療保険)市場の育成に力を入れるべきだと指摘する。商業健康保険による保険金支払額について、国内医療衛生費用に占める比率がドイツ、カナダ、フランスなどで10%以上、米国では37%に達する一方で、中国ではわずか1.3%にとどまる現状を紹介した。
《亜州IR株式会社》


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