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中国:ASEAN原発市場を開拓へ、国営CGNなどが現地事務所開設

2015年7月24日(金) 13時21分(タイ時間)
【ASEAN、中国】東南アジア10か国で構成されるASEAN(東南アジア諸国連合)に対して、中国が電力設備・技術の売り込み攻勢をかけている。

 中国国有の中国広核集団(CGN)は、中国南部で計画する2000メガワット原子力発電プロジェクトについて、権益の10~20%をタイ国政府系電力会社のラチャブリ・エレクトリシティー・ジェネレーティング・ホールディング(RATCH)に譲渡することを検討中。投資総額は3億2500万米ドルを見込む。また、RATCHがタイ南部で予定するバイオ発電所に対して、20%出資する方向で交渉に入ったという。毎日経済新聞が22日付で伝えた。

 協力関係を築いたうえで、中国のオリジナル原子炉「華竜1号(ACC100)」を販売したい狙い。タイから多くの技術者を招いて、華竜1号の技術を紹介する予定だ。同国は2017年までにフィージビリティ調査を終え、20年の入札を経て、26年に1基目の原子力発電所を稼働させる計画。30年の時点では、全国の電力設備容量(7069万キロワット)のうち、200万キロワットを原子力とする方針だ。CGNが保有する遼寧省・紅沿河原発では、タイのエネルギー局関係者の訪問団を受け入れている。燃料の供給、処理に関する交渉を交わした。

 CGNはタイだけでなく、ベトナムにも事務所を開設済み。需要の取り込み、掘り起こしに着手した。ASEAN諸国では、マレーシアやベトナムも原子力の推進計画をまとめている。マレーシアは100万キロワット原子炉を導入。21年と22年にそれぞれ稼働させる構想を描いた。ベトナムは20年の原発1基目の稼働を目指す。30年時点で1070万キロワット(発電容量全体の10.1%)に拡大する方針だ。

 向こう10年内に100万キロワット級の原発60~70台が世界で新たに整備される見通し。国が定めた「一帯一路」(シルクロード経済帯と21世紀海上シルクロード)構想や「走出去」(国内企業の海外進出)政策を後ろ盾に、CGNなど中国大手は積極的に応札していく立場だ。

 ただ、原発ソフトウエアを海外勢に依存しているという弱点もある。設備の運用、建設で経験を蓄積する一方、主要ソフトは米、日、仏から提供を受けてきた。この状況を変えるために、CGNは原発ソフトの研究に乗り出す予定。第3世代、第4世代原子炉のソフトを開発する考えだ。中国の同業他社も同様に開発を進める方針。ハードとソフトで知的財産を擁することで、売り込みをさらに強化する意向だ。

 中国が“自主開発”と主張する「華竜1号」はPWR(加圧水型原子炉)。国有のCGNと中国核工業集団(CNNC)の原発大手2社が共同開発した。CGNが持つCPR1000(フランス系)の改良第3世代炉「ACPR1000」技術と、CNNCが自主開発した第3世代炉「ACP1000」技術を融合。重大事故の予防措置などを強化した。

 中国は「華竜1号」を国内外で積極的に展開していく構え。国内では今月7日、福清原子力発電所(福建省)で建設がスタートした。国内での「華竜1号」建設はこれが初めて。海外では、パキスタンへの輸出が決まっている。

 習近平国家主席は今年1月、原子力産業を「国の戦略産業」と指摘したうえで、その発展を支援し、競争力を高める必要があると指示している。中国核能行業協会などのデータによると、14年末時点で商業運転中の原発総容量は2030万6000kW(中国発電容量全体の1.49%)。14年の発電量は前年比18.89%増の1305億8000万kWh(中国発電量全体の2.39%)に達した。

 中国の原発業界を代表する企業は、いずれも中国国有のCGN、CNNC、国家電力投資集団公司の3社。国家核電技術公司(SNPTC)と中国電力投資集団公司(CPI)が再編合併し、国家電力投資集団公司は今月15日に発足したばかり。火力、水力、原子力、新エネルギー資産を擁する総合エネルギー企業として運営される。
《亜州IR株式会社》

注目ニュース

【中国】中国の李克強首相は15日、原子力発電大手である中国核工業集団(CNNC)の傘下企業を視察し、原発を含むクリーンエネルギーの発展を後押しする方針を示した。

【中国】中国政府は来年にも、内陸部での原子力発電所建設を再開する見通しだ。

【タイ】在タイ日本大使館は1日、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けタイ政府が実施していた日本産食品に対する輸入規制が4月29日付でほぼ撤廃されたと発表した。



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