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「元切り下げ」で余波拡大、アジア通貨に飛び火

2015年8月13日(木) 13時00分(タイ時間)
【中国】11日に実施された「人民元」通貨の切り下げは、12日も引き続き1.6%の元安誘導が行われていることから長期化する様相を呈してきた。

 中国と経済的な結び付きが強いアセアンと東アジア諸国の通貨も下落している。通貨安誘導は輸出の促進が最大の目的と見られることから、アジア諸国を巻き込み通貨切り下げ競争となる恐れもある。当面、アジア通貨の下落と防衛策が市場や経済界の注目を集めることとなろう。

◆ベトナム
 ベトナムの中央銀行は12日、ドンの許容変動幅を公定レートの上下2%に拡大すると発表した。これまでの上下1%から2倍に大幅修正。公定レートは1米ドル=2万1673ドンに維持されたものの、市場では「実質的な切り下げ」とみられている。

 今回の変動幅拡大は苦肉の策だ。中銀は15年のドンレートについて、「対米ドルで2%以内の下落に収める」と公約していたが、今年の1月と5月に1%ずつ切り下げたため、すでに2%の設定ラインを突破。なお世界的な米ドル高が続いていたため(=ドン安の圧力が強まる状況が続いていたため)、公約を守りつつドン安に誘導する方策として、許容変動幅の拡大に踏み切った格好だ。

 実際、ドン安誘導は経済界からの要求でもある。米ドル高にあわせてドンが他のアセアン通貨よりも高くなれば、ベトナムの輸出競争力が一段と低下するためだ。対米ドルの為替レートは12日12:00現在、前日比0.97%安の22040ドンで推移している。

◆インドネシア
 インドネシアの中央銀行は12日、大規模な為替介入に踏み切ったとの観測が浮上している。今月11日に中国が人民元の値決め方法を見直すという名目で通貨を切り下げるなか、翌12日のインドネシア・ルピアが急落(一時、前日比2.3%安の13917ルピア)。これを受け、中銀のアディチャスワラ上級副総裁は同日、自国通貨ルピアの防衛を宣言した。

 12日のルピア為替レートは、朝方急落した後に中盤から大きく買い戻される展開。この動きを受けて市場では「政府がルピア買い・米ドル売りの為替介入を実施した」との見方が出ている。ジャカルタのある市場筋によると、介入規模は約4億ドルに上るという。
 ルピアは約17年ぶり安値を連日で切り下げた。

◆マレーシア
 同じく大きく下げているマレーシアの通貨リンギットも、同国中銀によるリンギット買い・米ドル売りの介入観測が出ている。リンギットの対米ドルレートは12日、1米ドル=4リンギットの大台を突破し、約17年ぶり安値を連日で更新した。リンギットは朝方、1米ドル=3.9リンギット台後半と3リンギット台を保っていたが、その後はじわじわと売りが強まり、一時4.0320リンギットまで下落した。05年7月以降の変動相場制下で4リンギット台に入るのは初めて。

 このほかフィリピン・ペソ、韓国ウォンも、対米ドルでそれぞれ5年、4年ぶり安値を切り下げた。
《亜州IR株式会社》


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