長谷川 博紀 氏 Managing Director
創業150年、日本でトップシェアの箔メーカーがタイに販社設立
生活のあらゆる場面で目にする「加飾」
――御社概要をお聞かせください
日本の村田金箔グループは慶応元年に設立、今年ちょうど創業150年を迎えました。当社グループは創業以来、「光る」ものにこだわり続け、純金箔から特殊印刷箔押加工(ホットスタンピング)用転写箔やホログラム(箔、フィルム、粉体)など加飾・美粧の素材メーカーとして「光る」素材を製造販売しています。
ホットスタンピングとは箔押(はくおし)加工のことであり、熱と圧でホイル、フィルム、粉体などにコーティングされた色彩を素材に熱圧着する技法を指します。そのホイルやフィルムが「箔」です。
その目的の多くは「加飾」です。例えば、本のタイトルや化粧品容器の製品名を金色や銀色にしたり、製品を目立たせたりするときに用います。ホログラムは、分かりやすいのはビックリマンシールのようなキラキラ効果に使われたり、コピー製品や海賊版との区別を容易にするため、オリジナル製品の表面に同様のキラキラ光るシールを貼り付けてみたり、ほかにもクレジットカードでよくご覧いただける角度によって浮かび上がる文字や画像を内部に刷り込んでシールにしたり、といった用途があります。
――そのようなキラキラ光る加飾は日常生活でかなり見かけますが?
チョコなどのお菓子パッケージや、歯磨き粉、子供が好きなトレーディングカード、本の表紙やレストランのメニュー、アルコール類のラベルなど、前述の化粧品を中心とした美容品のほとんど全ての箱やボトルに加飾が施されています。キラキラ光るものだけでなく、箔は赤や白などの色もあり、食品パッケージの製造年月日・賞味期限の記載や自動車のスピードメーター製造などに使われています。
当社グループは日本の箔製品市場でシェア70―80%を占めるトップシェア企業です。家庭で目にする品物の1つや2つは当社グループ製箔による加飾が施されている、といっても過言ではありません。
――タイ現法設立の経緯は?
タイ現法は2012年設立。日本から進出されてきたお取り引き先を始めとするタイ国内のお客様からのニーズが増え、当地で時間差のないサービスの提供が必要になったことを受けての立ち上げです。当社の箔やホログラムは色やパターンがバラエティに富んいます。箔押しする素材に合わせた「接着剤」の組み合わせも数多くあり、お客様用途に応えたサイズ調整も必要であるため、当社が輸入販売という形で日本から商品を取り寄せています。それまではお客様からのご注文を日本でお受けしておりましたが、タイで在庫を確保することによって当日翌日という即納が可能となりました。
タイでは食品や美容品のほか自動車部品などにも当社製品が利用されています。これまで既存のお客様へのサービス向上に努めてまいりましたが、今年からは新規顧客開拓にも乗り出しています。
タイの発展と共に加飾の浸透を
――メーカーや製造国によって品質の差はあるのでしょうか?
例えばタイの小売店に並ぶ食品の、製造年月日や賞味期限が見づらくなっているのを目にすることがあると思います。低品質な印字だと、時間が経つにつれ薄くなり、擦れているうちに消えてしまいます。
ホットスタンピングには用途により、ときに過酷な条件が課され試験を必要とします。食品は常温のみで保管されるわけではありません。冷凍食品であれば零下で氷が張り付く環境、コンビニの弁当であれば電子レンジで過熱される環境、レトルトパックであれば熱湯で茹でられる環境にさらされます。ホットスタンピングにはそれに対応する品質が求められます。
オリジナル製品であることを証明する、セキュリティ関連のホットスタンピングも同様です。CDやDVDに貼り付けるシールであれば貼ったら剥がれない、無理やり剥がしても後に「VOID」という文字が残るようにする、特定の角度で特定の文字を浮き上がらせるなど、その製品以上にコピーされない技術とアイデアが必要とされます。
世界的に見て、知名度が高いのはドイツ製、品質の良いものは日本製です。タイでは中国製、台湾製、韓国製などが多く流通していますが、それらの国の製品はまだまだ品質向上の余地があります。当社ではホイル、フィルム、食品用印字製品以外にも、ホログラム、蒔絵転写シール、軟包装パッケージ素材、機械関連など、「Made in Japan」の最高品質で安全供給の製品を幅広く取り扱っています。
――タイでは加飾は未だぜいたくと感じますが?
日本では小さな子どもが買い求める100―200円のお菓子のパッケージにも加飾が施されています。薄利多売ですが、加飾あるなしで売り上げが数割違ってきます。一方で、タイは日本向けを含め、化粧品類やシャンプー類などの生産が盛んのようで、加飾のビジネスチャンスは相当なものと見込んでいます。
タイでは今のところ、生活水準などの差から日本同様の加飾は望めませんが、当社がビジネスモデルを確立し、既存の日本のお客様のみならず、多くの地場企業の皆様にも加飾の意義を知っていたただけるよう努力していく所存です。
日本の品質、村田金箔グループの品質が浸透し、幅広い製品に加飾が施されるときこそ、タイという国が発展を遂げた証であるとし、さらなる前進を共に続けていければと思っております。
――ありがとうございました
Murata Kimpaku (Thailand) Co., Ltd.
住所:12/7, Moo 6 Soi Pooncharoen, Bangna-Trad Rd., KM 16, Bangchalong, Bangpli, Samutprakarn 10540
電話:0-2337-0805, 094-480-4960(長谷川)
ファクス:0-2337-0806 Eメール:h-hasegawa@murata-kimpaku.com
ホットスタンピングホイル(箔)輸入販売 Murata Kimpaku (Thailand) Co., Ltd.
2015年8月20日(木) 23時04分(タイ時間)
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