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原発推進の中国に使用済燃料問題、貯蔵プール飽和

2015年8月27日(木) 13時49分(タイ時間)
【中国】原子力発電所建設を本格化させる中国で、原子炉で燃やした使用済燃料の処理問題がクローズアップされている。

 原発推進にかじを切った中国は、2020年までに原子力発電能力を58ギガワット(5800万キロワット)に引き上げる計画だ。この目標が達成されれば、各原発から生み出される使用済燃料は年間で1000トンを超える規模に膨れ上がると試算されている。毎日経済新聞が25日付で伝えた。

 環境保護部・核輻射安全センターの柴国旱チーフエンジニアによると、大亜湾原発(広東省深セン市竜崗区)内の使用済燃料プールはすでに満杯。田湾原発(江蘇省連雲港市)の燃料プールも最大貯蔵容量に迫る規模だ。発電所外に整備された湿式貯蔵施設も最大容量に達していて、多くの専門家が「大型貯蔵プールの建設は待ったなしの状態」との認識を示している。

 ただ、問題となるのは、莫大な投資資金と、長い建設期間だ。使用済燃料プールの建設コストは数千億人民元の規模。中国の独自技術を採用しても、またはフランスからの技術協力を受けたとしても、その投資額は原発建設費を超える。さらに設計、建設、完成、稼働までに10年以上の年月を要するのが現状だ。

 専門家によれば、放射性廃棄物の処理や使用済み燃料の再処理を行うバックエンド事業の分野で、中国は相対的に後れをとっている。国内の商業用加圧水型原子炉で発生する使用済燃料を受け入れる施設は、現在のところ、国有の中国核工業集団公司(中核集団、SNPTC)が建設した敷地外中間貯蔵プールのみだ。

 原発輸出大国を目指す観点からも、核燃料サイクルのバックエンド事業は中国にとっての重要なカギを握ることになる。使用済燃料の処理能力の高さは、他国と商談を進める上で有利に働くため。国際市場での原発競争力を引き上げるためにも、バックエンド事業の強化が中国の差し迫った課題となっている。

 使用済み核燃料の再処理を繰り返してウラン資源を有効活用する「核燃料リサイクル」で、中国政府はその取り組みに本腰を入れる。甘粛省で今年7月に着工した「中核甘粛核技術産業園」は、核燃料リサイクルの国家事業拠点に選定されたという。

 甘粛省酒泉市金塔県から数十キロ離れた砂漠に整備中。投資額は1000億人民元(約1兆8500億円)の大台を超え、三峡ダムプロジェクトに匹敵する規模ともいわれる。

 国有の中国核工業集団公司(中核集団、SNPTC)と甘粛省政府が共同で整備する。エコの理念を用いて核燃料サイクルの「バックエンド事業」を集約し、関連産業の育成を図る狙いだ。中国ではこれまでにも「原子力発電産業園」や「原子力技術応用産業園」などが多数整備されてきたが、核燃料技術に特化した国家級「原子力技術産業園」は初めてとなる。

 原子力発電で中国最大手の中国広核電力(CGNパワー:1816/HK)は今月16日、傘下の紅沿河原子力発電所(遼寧省)3号機が商業運転を開始した。これで稼働中の原子炉は26基に増加。稼働中・建設中の原子炉は計51基と、米国、フランスに次ぐ世界3位に付けている。
《亜州IR株式会社》

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