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「最初の逮捕者が黄色いTシャツの男」 バンコクの連続爆弾テロ

2015年9月28日(月) 23時43分(タイ時間)
26日に行われた犯行の再演の画像
26日に行われた犯行の再演
写真提供、タイ警察
26日に行われた犯行の再演の画像
26日に行われた犯行の再演
写真提供、タイ警察
26日に行われた犯行の再演の画像
26日に行われた犯行の再演
写真提供、タイ警察
26日に行われた犯行の再演の画像
26日に行われた犯行の再演
写真提供、タイ警察
逮捕当時のムハンマド容疑者の画像
逮捕当時のムハンマド容疑者
写真提供、タイ警察
黄色いTシャツの男の似顔絵の画像
黄色いTシャツの男の似顔絵
写真提供、タイ警察
現金を積み記者会見するソムヨット長官(左から2人目)らの画像
現金を積み記者会見するソムヨット長官(左から2人目)ら
写真提供、タイ警察
29日の記者会見の画像
29日の記者会見
写真提供、タイ警察
【タイ】8月17、18日にバンコクで起きた連続爆弾事件で、ソムヨット・タイ警察長官ら警察幹部は9月28日、これまでの捜査を総括する記者会見を開き、すでに逮捕した外国人の男2人が死傷者約150人を出したラチャプラソン交差点の事件の実行犯と断定した。

 この事件で逮捕状が出たのはすでに逮捕された2人を含め17人。外国人がほとんどだが、タイでタクシン元首相派対反タクシン派のデモ、暴動が起きた2010年と2014年に爆弾事件を起こしたタイ人男も指名手配された。

 逮捕された外国人2人は8月29日にバンコク都ノンジョーク区のアパートで逮捕されたビラール・ムハンマド容疑者と9月1日にタイ東北部サケーオ県アランヤプラテートのカンボジア国境で逮捕されたマイライリー・ユスフ容疑者。ムハンマド容疑者が逮捕されたアパートでは爆弾の部品多数とトルコの偽造パスポート200冊以上がみつかった。ムハンマド容疑者は中国の新疆ウイグル自治区生まれのトルコ人、ユスフ容疑者は中国籍のウイグル族とみられるが、国籍は特定できていない。

 17日の事件では、ラチャプラソン交差点の観光名所「エラワンの祠」で爆弾が爆発し、タイ人6人、中国人5人など20人が死亡、日本人男性1人を含む128人が重軽傷を負った。また、現場を走行中の自動車、バイク数十台が破損、一部が炎上した。翌18日にはバンコク都内を流れるチャオプラヤ川のサトン船着場の水路で爆弾が爆発した。高い水柱が上がり、周辺にいた人たちが走って逃げたが、水中で爆発が起きたため、けが人はなかった。

 ラチャプラソン交差点周辺の防犯カメラには、眼鏡をかけ、黄色いTシャツ、短パン姿の男が爆発の数分前に、「エラワンの祠」のベンチに爆弾が入ったとみられるバックパックを置き、歩き去る様子が映っていた。事件の前後に男を乗せたタクシー運転手らは、男が携帯電話でタイ語や英語ではない言葉で話していたと証言した。

 警察はムハンマド容疑者の逮捕後、黄色いTシャツの男が乗ったとみられるタクシーなどから採取したDNAとムハンマド容疑者のDNAを調べたが、一致しなかったため、同容疑者は爆弾の製作に関わっただけとみていた。しかし、ラチャプラソン交差点に近いルムピニ公園の防犯カメラに黄色いTシャツの男が映った映像が新たに見つかり、事態が急転。ムハンマド容疑者が黄色いTシャツの男で、ラチャプラソン交差点近くにいたユスフ容疑者が携帯電話で爆弾を爆発させたとみて、再度取り調べ、警察によると、容疑者2人は犯行を認めた。警察は26日、ムハンマド容疑者をラチャプラソン交差点などに同行させ、犯行を再演させた。また、ルムピニ公園の防犯カメラを確認しなかったとして、所轄のルムピニ警察署の副署長ら3人を27日付で左遷処分にした。

 事件の動機について、ソムヨット長官は29日の記者会見で、タイ当局の取り締まりで「ビジネス」を潰された人身売買業者による犯行というこれまでの見解を踏襲し、タイ軍事政権と対立するタクシン派の関与も改めて示唆した。タイ軍政が不法入国で逮捕した中国籍のウイグル族109人を7月に中国に強制送還したことに対し、ウイグル族が関与するテロ組織が報復したのではないかという記者の質問には、「強制送還は国際法に則ったもので、動機とは考えられない」と述べた。

 ウイグル族は主に新疆ウイグル自治区に居住し、ほとんどがイスラム教徒。中国政府による弾圧を逃れ、東南アジアなどに脱出するケースが増えている。一部は民族的に近いトルコが引き取っているが、中東に渡り、過激派組織に加わることもある。強制送還されたウイグル族は中国で処罰される可能性が高いとみられ、タイ軍政が中国に強制送還した翌日には、送還に抗議するトルコ人のデモ隊がイスタンブールのタイ領事館に突入し、窓ガラスを割ったり、備品を壊すなどした。欧米諸国もタイ軍政の対応を非難した。

 ソムヨット長官ら警察幹部は今回の記者会見で、これまで同様、「テロ」「テロリスト」という言葉を徹底して避け、いったんは認めたウイグル族の報復説からも再度、距離を置いた。タイは観光が主要産業で、「テロ対象国」というレッテルは是が非でも避けたいところ。また、「ウイグル族」は中国、トルコと外交的に微妙な問題に発展する恐れがあり、こちらも口にしたくない言葉だ。こうした事情から、軍政にとって都合のいい「人身売買業者」と「タクシン派」で幕引きを図ったようだ。

 ソムヨット長官は9月末で定年退官するため、今回の会見で花道を飾った形。会見場のテーブルの上に、犯人逮捕につながる情報の懸賞金として私的に用意した300万バーツの札束を無造作に置き、会見に応じた。300万バーツは警察、軍の捜査官に渡すという。
《newsclip》

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