RSS

中国:第13次5カ年計画、焦点は「人口問題」か

2015年10月6日(火) 13時12分(タイ時間)
【中国】中国共産党の党中央委員会第5回全体会議(5中全会)が近く開催される。同会議では、第13次5カ年(2016~20年)計画案が固められる見通しのなか、同計画の焦点は人口問題になる可能性が指摘されている。

 5日付香港経済日報が消息筋情報として伝えたところによると、次期5カ年計画案では、国内総生産(GDP)関連の内容よりも、人口政策関連の内容に重点が置かれる模様。中央はすでに、「一人っ子政策」の全面撤廃も検討している模様で、人口政策が同計画案の重要事項になる可能性があるという。

<人口政策の見直し急務>
 人口政策の見直しが急務になっている背景には、一人っ子政策による人口構造の歪みが深刻化していることがある。中国社会科学院が3月と9月に発表した「2014年中国経済情勢分析・予測」、「中国都市発展報告」では、中国の現在の出生率が1.4人と、人口置換水準(2.1)を大きく下回っているほか、国際的な警戒ラインとされる1.3にも近づいていると指摘している。

 また、労働人口が減少していることも強調。中国の労働人口はすでに3年続けて減少し、昨年の16~30歳の労働人口純減数は371万と過去3年で最も高い水準になった。こうしたなか、次期5カ年計画期間に人口と労働供給の規模は大きく変化し、人件費が一段と高騰。一方で、出世率の低下が続くなか、2030年には人口の増減がマイナスに転じ、人口ボーナスの強みは完全に消失するとの予想が示されている。

 こうした状況の下、一人っ子政策の見直しは急務になっている。ただし、一人っ子政策の全面撤廃の時期に関しては流動的な面が大きい。実際、国家衛生・生育計画委員会の幹部が7月に、一人っ子政策の全面撤廃について「中央の計画、法律に基づき、生育政策を徐々に調整していく」との認識を示した際、官製メディアは、同発言をけん制する記事を発表。例えば、人民日報は、「目下、主な任務は、どちらかが一人っ子の場合に対して2人目の出産を認める政策の実施を続けること」と、現行の政策継続の重要性を強調した。

 とはいえ、一人っ子政策が見直される趨勢には変わりはなく、問題は、その進展ペース。これまで長期にわたって実施された一人っ子政策がもたらした歪みを是正するには、相応の期間が必要になりそうだ。

 国家衛生計画生育委員会が統括している一人っ子政策は、1979年から中国で導入された人口抑制策。限られた資源、食糧を有効に分配する目的で導入されている。第2子以上をもうけた場合(双子などは除く)、罰則金支払いなどの負担増が強いられていた。

 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は13年末、1979年から35年にわたって続けられている「1人っ子政策」の緩和を決定した。これまでは夫婦どちらも1人っ子の場合に認めていた第2子出産について、どちらか一方が1人っ子である夫婦にも認める内容。14年に入り、各地で相次ぎ実施され始めた。

 中国の総人口は、14年末時点で13億6782万人に達した。前年末比で710万人(0.52%)増えている。出生数は1687万人(出生率1.237%)、死亡数は977万人(死亡率0.716%)。人口の自然増加率は、前年比で0.029ポイント高い0.521%に上昇した。総人口の内訳は、男性が7億79万人(51.2%)、女性が6億6703万人(48.8%)。男性の数が女性を3376万人上回っている。 

 うち高齢者(60歳以上)の総数は、14年末時点で2億1200万人に達し、総人口の15.5%を占めた。さらに毎年1000万人のペースで増加しつつある。20年に2億6000万人、25年に3億人、34年に4億人、50年に4億8000万人まで膨らむ見通しだ。

 こうしたなか、特に問題視されているのは「未富先老」(豊かになる前に高齢化社会に入る)という現実。OECD(経済協力開発機構)に加盟する多くの国をみると、高齢化社会が到来した際の国民1人当たりGDP(国内総生産)が1万米ドルの水準にあった。しかし中国は1000米ドルに達した段階で、すでに高齢化社会を迎えている。高齢者人口の資産構成もバランスが悪い。財産性収入の比率はわずか0.3%に過ぎず、現役世代に多くを頼る構図となっているのが現状だ。
《亜州IR株式会社》

特集



新着PR情報