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ディーゼル排ガス不正、中国では“公然の秘密”=専門家

2015年10月7日(水) 13時31分(タイ時間)
【中国】不正ソフトによるディーゼル排ガス規制回避という独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の不祥事は、世界を揺るがす大問題に発展した。

 しかし中国では、ディーゼル車に対する排ガスの不正操作やデータ改ざんは日常茶飯事。こうした不正が「公然の秘密」と化しているという。VWの不正発覚後、中国のある自動車アナリストは公の場で、「われわれ中国人はVWを責める資格が全くない。中国本土で横行しているディーゼル排ガス不正のほうがより深刻な問題だからだ」と述べている。第一財経日報が6日までに伝えた。

 中国が採用している自動車排ガス基準は、欧州の基準を参照に制定されている。自動車検査も欧州とほぼ同様の手順で実施。排ガス試験は欧州と同じ「モード走行試験」方式が採用されている。これは自動車の路上走行状態を再現し、試験場で検査するもの。実際に車を路上走行させて計測する排出ガスデータと比べ、安定性と精度が高い。しかし試験時の走行モードを自由に設定できることから、生産過程で排ガス規制をごまかすことが容易にできるという。

 消費者サイドにも問題がある。ディーゼル車の新排ガス基準「国4」に適応するディーゼル車は、「国3」(ディーゼル車に求められる中国の現行最低環境基準)適応モデルと比べてエンジンコストが2万人民元(約37万9000円)高くつく。このため車体価格は高めだ。加えて、尿素SCRシステム搭載ディーゼル車は、使用の過程で尿素水を補充する必要があるため維持費も高い。

 中国のディーゼル車ユーザーの主力は、コストに敏感な個人輸送業者。このため「国3」車と比べて、「国4」車の人気度は低いのが現状だ。また、「国4」車を購入しても、維持費節約のために民間修理場に車を持ち込み、尿素SCRシステムや自己診断機能(OBD)を遮断するよう依頼するユーザーが散見される。こうした不正操作を防止するため、国の検査機関はメーカーに対し、システムを意図的に遮断できないようにする防止装置の設置を義務付けている。しかし、売上増を狙ってそれを未設置のまま販売する企業が存在するという。さらにこうした不正に対して、国は業務改善命令を下すのみ。厳しい罰則制度が存在しないことも、問題を助長させている――との声も聞かれる。

 このほか、自動車検査場でも、排ガス検査に絡む不正が横行している状況だ。車検業者との仲を取り持つ「仲介屋」が存在。排ガス基準を満たない車でも、200人民元(約3800円)ほどを支払えば、検査をパスできるよう検査員に便宜を図る連携システムが水面下に構築されているという。

 “インチキ”検査の方法は主に2種類。1つ目は、排ガス採取管に調整バルブの開閉スイッチを取り付ける方法。検査員がこのスイッチを操作して、検査データをごまかしている。2つ目はさらに悪質だ。検査ソフトウエア自体に裏工作を行うというやり方だ。検査ソフトウエアの生産業者と結託し、排ガス検査の合格ラインを国家基準より甘くしている。ソフトウエアにさまざまな指令が設定され、これらの指定に沿えば、検査員が検査データを自在にコントロールできるのだという。

 中国全土の試験場で報告されている自動車排ガスに関するデータに関して、ある専門家は、「その80%は改ざんされた不正データである」との実態を暴露している。
《亜州IR株式会社》

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