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中国政府に重圧、地方債務問題と公共投資拡大のジレンマ

2015年10月22日(木) 23時10分(タイ時間)
【中国】経済の下振れ圧力が強まるなか、中国で地方政府債務問題が再びクローズアップされている。

 地方政府債務の残高が中国のGDP(国内総生産)に占める比率は、保守的にみても世界金融危機前の20%から足元で40%に拡大。残高の規模は3兆ドル(約359兆6300億円)に膨張していると言われる。網易が21日付で伝えた。

 国家統計局の発表によると、中国の7~9月GDP成長率は6.9%に低下。6年ぶりに7%を割り込んだ。成長鈍化に見舞われる状況の下、多額の地方債務は経済を一段と悪化させかねない。

 中国を取り巻く環境は、足元で過酷だ。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ時期の不透明感、資本の国外流入、人口ボーナスの衰退などのネガティブ要因が重なっている。2008年に打ち出した4兆人民元に上る景気対策の効果は、すでに失われた。

 こうした中で中国政府は、金融をさらに緩和し、公共投資を拡大する施策を取らざるを得ない。しかし公共投資の拡大は、地方政府の債務を増大させるという副作用をもたらす。08年末から実施された大型景気刺激策を契機に、地方政府債務が一気に拡大したことは記憶に新しい。

 地方政府債務問題に関して中国政府は今年、債務借り換えのための自主起債を地方政府に対して認めた。さらにこれら地方債について、商業銀行の借り入れ担保の範囲とすることを承認している。金利が低い地方債は、商業銀行にとっても、魅力の大きい金融商品だ。銀行による地方債の購入を促進する仕組みを整えたこととなる。

 これによって地方政府は、新規地方債の発行が容易になり、ネックとなっていた資金問題が解決された。しかしこれらの施策は、地方政府の返済を先送りしただけで、抜本的な解決策とはいえない。

 地方政府債務問題の解決と公共投資の拡大を同時に迫られる中国政府は、まさに“綱渡り”の状態にあるといえよう。
《亜州IR株式会社》

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