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中国がパキスタン・グワダル港43年租借、経済特区に再開発

2015年11月13日(金) 10時56分(タイ時間)
【中国】アジア地域の経済連携やインフラ整備を進めるという中国の「一帯一路」構想がいよいよ、本格的に始動する。

 中国海外港口控股有限公司を通じて、中国はパキスタンのグワダル港の租借権を得た。パキスタン海軍とスィースターン・バルーチェスターン州政府が保有していた港湾中心部280ヘクタールを再開発したうえで、43年間にわたって同国初の経済特区を運営する。両国の代表者が11日に覚書を交わした。自由貿易エリアに指定される923ヘクタール(280ヘクタールを含む)は、固定資産税の一部が免除されるという。複数の中国メディアが12日付で伝えた。

 グワダル港を運営する戦略的な意義は大きい。中国は輸入原油全体の8割を中東、湾岸国に依存しているためだ。陸地を経由することで、中国はインド洋、マラッカ海峡、南シナ海を通らずにエネルギー資源が確保できるようになる。投資を奨励するために、パキスタン政府は進出企業に20年の免税優遇を与えるという。パキスタン政府はまた、1万~2万5000人の特殊部隊を編成し、港湾と中国人労働者の安全を守る。

 中国と世界を結ぶ「一帯一路」の政策によって、沿線エリアで投資が実行される形。少なくとも16億2000万米ドルを投じ、高速道路・防波堤・空港の整備、港湾のしゅんせつ、基礎インフラの構築を進める意向だ。向こう3~5年内に完工させる。

 カラチから西に540キロ離れたグワダルは当初、飛び地のオマーン領土だった。1958年になってパキスタンに買い取られた経緯がある。中国の技術と資本(2億4800万米ドル)で07年に港湾が整備された。

 中国の習近平主席は、今年4月20~21日にパキスタンのシャリフ首相と会談し、事業規模460億米ドル(約5兆5200億円)に上る「中国・パキスタン経済回廊」を構築することに合意。うち280億米ドルが道路や鉄道、発電所などインフラ設備の建設に投入する方針を打ち出していた。

 「中国・パキスタン経済回廊」とは、新疆ウイグル自治区のカシュガルとアラビア海沿岸にあるグワダル港を結ぶ大物流網を指す。道路や鉄道などの交通インフラに加え、原油パイプラインや光ケーブル網も整備し、経済的な交流を拡大させる構想だ。アジアとヨーロッパを結ぶ“新シルクロード”とも呼ばれる「一帯一路」構想にとっては、戦略的に重要な意味を持つ。

 中国鉄建は2014年8月の時点で、各種交通インフラの建設に関し、パキスタン当局と提携覚書を交わした。また、中国交通建設(1800/HK)や中国建築(601668/SH)、中国電建(601669/SH)なども、すでに現地で提携協議などを締結済み。このほか、合併手続きを終えた鉄道車両メーカー世界最大手の中国中車(1766/HK)も、海外輸出を加速させるとみられている。
《亜州IR株式会社》

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