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タイ軍政、不敬罪容疑で米国大使捜査 関係悪化に拍車

2015年12月13日(日) 02時56分(タイ時間)
【タイ】タイ警察が不敬罪容疑でグリン・デイビス駐タイ米国大使の捜査を開始したことが明らかになった。タイの同盟国である米国の大使に対する捜査は異例中の異例。昨年5月のタイの軍事クーデターで冷え込んだタイ米関係はさらなる悪化が避けられない見通しだ。

 タイの不敬罪は国王夫妻と王位継承者に対する批判を禁じたもので、1件につき最長15年の禁錮刑が科される。クーデターで発足したタイ軍事政権は不敬罪による取り締まりを強化し、それ以前の民選政権下で問題とされなかったケースも遡って摘発し、軍法会議での短期の裁判で、次々と実刑判決を下した。刑期が20年を超える判決も度々あり、国連、欧米諸国が強い懸念を示している。

 デイビス大使は11月25日にバンコクのタイ外国人記者クラブで記者会見した際に、この問題に言及し、「平和的に意見を述べただけで投獄されるべきではない」、「軍法会議が一般市民に不敬罪で長期刑を科すのを懸念している」などと述べた。

 この発言に対し、タイ軍政の実力者であるプラウィット副首相兼国防相(元タイ陸軍司令官)は「大使は話す前に考えるべき」と強い不快感を表明。11月27日には軍政の支持基盤である王党派の市民約200人がバンコクの米国大使館前でデモを行い、大使の解任を要求した。

 さらに、今月9日、タイ外国人記者クラブが声明を出し、タイ警察から、デイビス大使の発言が不敬罪に抵触した可能性があるとして、協力を要請されたことを明らかにした。大使は不逮捕特権があり、逮捕される可能性はほぼないが、タイ軍政の「嫌がらせ」が両国関係をさらに悪化させたのは間違いなさそうだ。

 タイ軍政はマーク・ケント駐タイ英国大使にも不快感を示している。今月7日、学生を中心とする反軍政グループの36人が、建設をめぐる軍の汚職疑惑が浮上した中部プラジュアブキリカン県フアヒンのラーチャパット公園を訪れようとして、治安当局に身柄を拘束された件で、ケント大使は短文投稿サイト「ツイッター」に、「(在バンコク)米国大使館で200人がデモを行うことを許されたのは集会の自由の(制限の)緩和と期待したが」と書き込んだ。これに対し、軍政の報道官は8日、英国大使がしばしば法を破るグループを支持するのは残念だなどと述べた。
《newsclip》

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