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波乱の香港マーケット、「98年アジア金融危機に酷似」との見方も

2016年1月22日(金) 13時21分(タイ時間)
【中国】香港の株式・為替市場が大荒れとなるなか、外資系ブローカーの一部が「1998年に発生したアジア金融危機の様相を呈し始めた」と分析している。

 香港ドルの対米ドルレートは、20日までの5営業日で1米ドル=7.7746香港ドルから7.8295香港ドルまで下落。下落幅は0.050香港ドルを超えた。

 株式相場も下落基調を強め、20日のハンセン指数は3.82%安、H株指数は4.33%安と急落。全体の空売り額は123億香港ドル(約1850億円)に膨らみ、今年2番目の規模に膨らんだ(ハンセン指数構成銘柄では、金融・不動産セクターの空売り比率が50%を超える水準)。

 こうした現状を踏まえてCSFBは、「香港:98年金融危機の温故知新」と題する最新リポートを発表。アジア金融危機当時と現在を比較し、◆現在は中国の影響力が高まっていること、◆クロスボーダー取引の規模が大きくなっていること、◆金融商品が多様化していること――などを挙げ、「監督が難しくなっている」と警鐘を鳴らした。

 また、UBS投資リサーチ執行董事の梁裕昌氏は、「過去30年経験してこなかった試練に直面している」と指摘。「SARS禍の2003年は不動産市場が大きな打撃を受けたが、金融業は相対的に強かった。また、2009年はその逆で、金融業は大きな打撃を受けたが、不動産業は比較的しっかりしていた。しかし、現在は不動産と金融がそろって低迷している」と足元の状況を危惧した。

 市場心理が弱気に傾いているだけに、短期的に香港マーケットは一段安を試すとの見方が少なくない。目先のハンセン指数は、心理的節目の18000ポイントを割り込むか否かが焦点となった。

<香港当局の対応に期待>
 もっとも、「香港当局が何らかの対策を打ち出す」と考えられているのも事実だ。前出のCSFBリポートを執筆したチーフエコノミストの陶冬氏は、「香港の財政力は強く、“弾薬”は十分にある」と指摘。不安定な為替レートの動向に関しても、「香港の金融管理局は、ペッグ制を維持する十分な力がある」と期待感を示した。
《亜州IR株式会社》


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