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中国タイヤ業が不振、設備過剰・融資引き締めなど圧力に

2016年2月11日(木) 13時16分(タイ時間)
【中国】中国のタイヤ製造業が不況に陥っている。昨年以降、メーカーの倒産が相次ぐ状況だ。

 タイヤ産業が盛んな山東省では今年に入っても、タイヤメーカーの資金繰り破たん、オーナー失踪に関する報道が後を絶たない。関連情報サイト「輪胎世界網」が業界関係者を対象にこのほど実施したアンケート調査では、回答者の65%が「2016年は相当数のタイヤメーカーが市場淘汰される」との認識を示したという。

 2016年の中国経済が直面する下振れ圧力とリスクに関して、中央銀行の中国人民銀行は、◆製造業の設備過剰、◆銀行融資の引き締め、◆国際金融リスク――の3点を挙げた。「輪胎世界網」では今年の中国タイヤ製造業についても、同様にこの3点の問題が立ちはだかるとの見方を示す。

 まず設備過剰の問題。中国ゴム工業協会・タイヤ分会の史一鋒・秘書長(事務局長)によれば、中国タイヤ産業では、構造的な過剰問題が著しく深刻だ。ここ数年に新たに立ち上げられたタイヤ製造事業は、生産品種が低付加価値製品に集中。低効率投資や重複建設を招いた。事業発展意識の弱い一部企業が価格戦を繰り広げた結果、業界全体の収益力が低下。市場秩序を乱したという。

 次に銀行融資の引き締め。不良債権比率が上昇サイクルにある中で、銀行が融資に慎重になれば、タイヤメーカーの資金繰り圧力は一段と増大する。

 資金集約型産業に属するタイヤ製造業は、プロジェクト1件当たり数億~数百億人民元の資金を要する。銀行支援を受けずに、単独で資金繰りを行っていくことは極めて難しい。直近で倒産に追い込まれた数社のタイヤメーカーをみても、資金ショートによる破たんがその最多理由だった。

 最後に、世界金融市場の不確定リスクもある。昨年末の米利上げが世界に波及し、国際金融市場に新たな動揺をもたらす可能性があるため。中国のタイヤ産業は海外依存度が高く、国内で生産されるタイヤ製品の約半数を輸出している。このため国際市場の変動がもたらす影響は多大だ。

 貿易障壁の問題もある。今年に入って米国は、中国製の大型車向けタイヤを対象とした反ダンピング・反補助金調査を発動させた。これは低迷にあえぐ中国タイヤ輸出にとって、一段の追い打ちとなる。

 統計によると、15年1~9月の中国タイヤ生産量は、5.99%減の2億6480万6600本。うちラジアルタイヤは5.17%減の2億3680万6400本(全体の89.4%)で推移した。輸出額は15.75%減の423億2300万人民元(約7371億2000万円)に細る。輸出量は7.73%減の1億1865万3600本。15.41%拡大した前年同期から一転し、マイナス成長に沈んでいる。うちラジアルタイヤの輸出量は、6.27%減の1億1066万9100本に縮小した。

 利益も縮小が目立つ。43社で34.82%減の43億7100万人民元(約832億2200万円)に落ち込んでいる。前年同期は4.33%増益を確保していた。ただ、在庫はわずかながら減少。前年同期比で2.65%減の165億9300万人民元となった。

 1~10月の10カ月も、売上高が14.06%減、利益総額が同35.44%ずつ落ち込んだ。生産額は13.26%減。タイヤ輸出は通年で、量ベースで前年比6.6%減、金額ベースで同15.1%減少したとされる。
《亜州IR株式会社》


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