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中国:宅配業が混乱、加盟店で給料遅配・オーナー失踪相次ぐ

2016年2月17日(水) 09時37分(タイ時間)
【中国】中国の宅配業界が混乱状態にある。

 各業者の加盟店で従業員への給料遅配、オーナーの失踪などが散見される状況だ。この背景には、業界競争の激化がある。宅配業者の店舗ネットワークが急速に拡大する中で、店舗間で同質化競争(価格戦)が進行した。業界の平均利益率は大きく押し下げられている。経済参考報が16日付で伝えた。

 宅配業者を巡るトラブルは、このところ後を絶たない。大手の円通速逓では先ごろ、上海の加盟店で従業員による大規模ストライキが発生した。経営の悪化から、同加盟店ではオーナーが失踪。給料支払いを求めて、顧客から預かっていた荷物を従業員が差し押さえる騒ぎに発展した。顧客から預かった荷物400件余りの配達が遅延する事態に陥っている。円通速逓が未払い給与を補てんしたことで、ようやく騒ぎは収束した。

 また同じく大手の申通快逓でも、11月11日の「独身の日」に次ぐ大型ネット商戦が繰り広げられた昨年12月12日(「双12商戦」)、上海の店舗で従業員ストが起きた。業務量の激増、給料の遅配で従業員の不満が爆発したという。

 これら事例は、“氷山の一角”に過ぎない。中国の各民間宅配業者ではここ1~2年、北京や上海、杭州、広州、南京など複数都市の加盟店で従業員ストが発生。加盟店オーナーが売上金を持ち逃げする事件も頻発した。

 こうした状況について上海市郵政局・市場監管処の責任者は、宅配業者の加盟店ネットワークが直近1~2年で急激に増えた点を指摘。これが過当競争やサービスの質低下を招いたとみている。

 実際、宅配サービスに関する消費者クレームは、右肩上がりで増えた。国家郵政局と各地の郵政管理局が昨年に受理した宅配サービス関連の消費者クレームは、前年比36.7%増の98万3000件に膨らんでいる。12月の単月だけでも、22万件の苦情が寄せられた。内容別では、「配送遅延」に関するクレームが前年同月比112.7%、「サービスの悪さ」が73.5%、「中身の破損」が71.6%ずつ増えている。いずれも、フランチャイズで店舗展開する宅配業者に苦情が集中した。

 急ピッチな店舗展開のしわ寄せが表面化した格好といえる。宅配業は、中国で近年、最も成長ピッチが速い業種の一つとなった。電子商取引(EC)の拡大などにより、中国では宅配業の貨物件数が急増している。15年の全国貨物件数は、前年比48%増の206億7000万件に膨らんだ。宅配業者の売上高は35.4%増の2769億6000万人民元(約4兆9000億円)に伸びた。5年前との比較では、それぞれ貨物件数で8.8倍と売上高で4.8倍に拡大している。ただ、業務量の増加ピッチと比較すると、増収幅は明らかに小さい。業界の平均利益率は、7~8年前の20%程度から足元で3~5%程度、さらにはそれ以下に悪化した。
《亜州IR株式会社》

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