【タイ】タイの大手茶飲料メーカー、イチタン・グループが、自社飲料のペットボトルのフタの内側の数字が当選番号と一致すると高級マンションや高級車があたるキャンペーンを実施中だ。
景品は1000万バーツと1500万バーツのマンション計2戸、209万バーツ相当のメルセデス・ベンツGLA200計28台。イチタン創業者のタン同社社長は宝くじ好きなタイ人の国民性をついたキャンペーンが得意だが、景品がここまで豪華になったのは初めて。
1000万バーツのマンションは7日に当選者が決まった。17日にはGLA200の最初の7台を当選者に贈呈した。
〈イチタングループ〉
タイの茶系飲料・日本食レストランチェーン大手オイシを創業したタン・パーサコンティー最高経営責任者(CEO)がオイシを売却後、2010年に創業した飲料メーカー。2015年は売上高63・4億バーツ、最終利益8・1億バーツ。
〈タン・パーサコンティー(陳水明)〉
1959年生まれ。両親は第2次大戦後に中国からタイ東部チョンブリ県に移住し、男女6人の子供を設けた。しかし、小さな会社の事務職だった父の収入だけでは家計がやりくりできず、末っ子のタン氏と姉2人、母の4人はマレーシアに移住していた父の妹のもとに身を寄せた。
ペナンで少年時代を過ごしたタン氏は中学卒業後、タイに帰り、バンコクで写真フィルム販売会社に就職した。初任給は700バーツ。最初は配送、次にセールスに移り、5年間務めた。しかし、「いくら仕事しても儲かりそうになかった」ため退職し、チョンブリに戻った。
「二枚目じゃないし、金もない、勉強も嫌いでだめ。自分にできることといったら商売ぐらい」と考え、チョンブリ市内の長距離バスのバス停に近い場所で、新聞スタンドを始めた。支払いが3―6カ月に1回という条件だったため、バスまで新聞を売り歩いて稼ぎ、売り上げを別の商品の仕入れに回した。手がけたのは、飲料水、人形、音楽テープ、雑誌など。「当時人気があったスヌーピーの財布は仕入れ値が100バーツ。これを300バーツで売りまくった」。
売れ筋をつかむ才能を発揮し、半年後、新聞・雑貨屋を開くことに成功。余勢を駆って外食、不動産に進出した。最初は小規模な不動産事業に出資し、徐々に規模を拡大、出資比率も上げた。が、うまくいったのもそこまでで、1984年の不動産不況の直撃を受け、1億バーツもの負債を抱え、身動きが取れなくなる。月100万バーツ近い金利を何とかするために、土地、時計、宝飾品など資産のほとんどを売り払い、後には日銭が稼げるレストランと、借金3000万バーツが残った。
再起を期し手がけたのは、台湾を訪れた際に繁盛振りが目に止まったという結婚式用の写真スタジオだ。1993年にバンコク都内トンロー通りに1号店を出し、これが大当たりとなった。様々な衣装で撮影する結婚式のアルバムは、派手好き、見た目重視のタイ人の心をつかみ、店舗数は20店を超え、不動産の借金を完済した。
「別業種もやっておけば安心」と考えたタン氏は次の事業に取り組んだ。「将来性のある事業しかしない、二番煎じはしない。日本食は健康にいいし、タイにも根付いてきた。音楽、ファッションなど日本ブームもあった」。思案の果てに出た答えが、「日本食のブッフェ・レストラン・チェーン」だ。
「日本食は料理の名前がわからず注文しにくい」「好きなものを好きなだけ食べたい」というタイ人の需要に応えたオイシは1999年9月の1号店出店から圧倒的な支持を集め、日本食の代名詞となった。「ブッフェ形式で量が多いから、薄利多売で、利益は1人100―150バーツ程度。日本料理は高くて量が少ないというイメージを破ったのが成功の秘訣」と自ら分析する。
日本食で大成功を収めたタン氏の次の一手は、またも意表を突いた。当時タイに市場が存在しなかった「緑茶飲料」を自社で開発・生産するという、これまでを上回るような賭けに出たのだ。2004年に本格始動したこの緑茶飲料はしかし、タイ人のし好を読みつくした巧妙なマーケティングと、折からの健康ブームに乗り、日本食レストランを上回る大ヒットとなった。
タン氏は2006年、所有するオイシ株をアルコール飲料最大手タイビバレッジに売却。新会社イチタンで新たな飲料事業を開始し、設立数年で茶飲料でオイシと並ぶまでに成長した。
ペットボトルでベンツが当たる タイの茶飲料メーカーがキャンペーン
2016年3月17日(木) 23時18分(タイ時間)
注目ニュース
【タイ】タイの大手茶飲料メーカー、イチタン・グループの販促キャンペーンを利用し、消費者から金をだましとる詐欺事件が発生した。
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