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〈タイ業界事情〉 金型部品輸入販売(パンチ工業タイ総代理店)および冷間鍛造金型製造ほか KANSEI CO., LTD.

2016年4月8日(金) 00時21分(タイ時間)
〈タイ業界事情〉 金型部品輸入販売(パンチ工業タイ総代理店)および冷間鍛造金型製造ほか KANSEI CO., LTD.の画像
〈タイ業界事情〉 金型部品輸入販売(パンチ工業タイ総代理店)および冷間鍛造金型製造ほか KANSEI CO., LTD.
パンチ工業社製金型部品の画像
パンチ工業社製金型部品
川内 英二 氏 President

大洪水、自動車不況で学んだ教訓 リスク分散が成功の分岐点

 日本列島を襲った2011年3月の東日本大震災からちょうど5年。あの年、日本の製造業は国内で受けた壊滅的な被害に加え、10月からは進出先のタイで大洪水に遭遇、未曽有の損失を計上した。50年に一度といわれたほどの自然災害。中部アユタヤ県では自動車メーカーをはじめ部品工場などが相次いで冠水、操業停止に追い込まれて一斉に赤字に転落、撤退を余儀なくされたところもあった。しかしどの企業もそのような試練を乗り越えて操業再開を果たし、その後の自動車不況を乗り越えて現在に至っている。過去5年の間に得た教訓、それは「好調時にこそ挑む発掘・開発」だ。

大洪水被災後のV字回復

 弊社では当時、中部パトゥムタニ県の工業団地、ランシット・プロスパー・エステイトに設立した冷間鍛造金型の製造工場が冠水、3カ月間の操業停止に追い込まれた。本社が入居するバンコク・パホンヨーティン通りのエレファントタワー、通称「象さんビル」前の道路も数十センチの冠水。東部チョンブリ県ピントン工業団地内のもう一つの製造拠点に避難したほどだった。日本からの部品出荷(輸出)がようやく震災前の状態に戻ったばかりであり、タイで荷を止めるわけにはいかなかった。取引先の担当者も寝る間を惜しんで協力してくれたが、この間の売上高は40%も減少した。

 しかし幸いにも、業界全体の回復は早く、見事なまでのV字回復。多くの日系企業が半年も経たないうちに洪水前の体制を取り戻し、「さすがは日本の底力」と感心したほどだった。洪水が引けてからは日本の中小企業のタイ進出も再び盛んとなり、弊社も金型関連部品の品揃えを拡充。従来の自動車中心といった軸足の一部を半導体、家電、ハードディスクドライブなどへと移していった。結果、2012年後半から2013年にかけての売り上げは年25%もアップした。

洪水被災から学んだリスク分散

 市場の変調を感じたのは、2014年に入ってしばらく経ってから。需要の先食いといわれたファーストカー減税策の反動をきっかけに、不況風にさらされる自動車産業。自動車メーカーを中心に多くの企業が設備投資に抑制的となり、市場は一気に冷え込んだ。このときの後遺症に苦しむ企業も今もなお、少なくない。

 弊社は幸運にして、洪水被災からの回復軌上で「リスク分散」の効用を学んでいた。タイ事業で総代理店契約を結ぶ日本の金型部品メーカー、パンチ工業がマレーシアに付加価値の高い超精密金型部品工場を立ち上げたことも、自動車以外の分野への進出を後押ししてくれた。コネクター生産、樹脂成形、ペットボトル製造や製缶……。金型部品に関係する仕事なら何でもこなした。

 だからこそ、洪水被災の後に相まみえた自動車不況からも、その脱却は早かった。金型関連製品のラインナップを豊富に取り揃えたことで、新規顧客の獲得も相次いだ。営業中核として増員した日本人幹部社員も多方面で営業力の強化に努めるなど、どんなことにも取り組もうという姿勢だった。

好調時にこそ挑む発掘・開発

 とはいえ、リスク分散の効果を早いうちから明確に認識していたわけではない。市場の成り行きで取引先が分散化したという幸運な面もあった。そもそも、自動車不況がこれほどまでに深刻化・長期化するとは予想もせず、「1、2年すれば戻るだろう」程度の読みだった。あのまま自動車業界に頼っていたら、現在の早期回復はなかったかもしれない。振り返ってみて、しみじみと感じる。

 洪水被災の経験を通じて結束が強まった社内のチームワークも大きな資産だ。工場が3カ月操業停止となっても1人の解雇者も出さなかった。取引先担当者の辛そうな表情を見て、進んで残業に取り掛かるタイ人スタッフもいた。自ら辞める人もいなかった。会社が一段と大きく成長をした瞬間でもあった。

 企業は好調時にこそ、新業界、新商品の発掘・開発に積極的に挑まなければならない。それが、5年前に体験した大洪水、そして今なお続く自動車不況から得た教訓だ。ちょっとしたヒントやきっかけが、会社をその後の苦難から救うことがある。例えば、弊社が近ごろ受注するようになったペットボトル製造工場向け金型事業は、その典型といっていい。ここは、水需要の絶えない南国タイ。「これほどまでに確実で安定的な市場はないはず」と営業した結果、つかんだ仕事だった。

 不断の勉強と努力、そして積極性に協調性。それらに勝る「勝ちパターン」はなく、事業に王道はない。取引先やパートナー企業との関係も大切にしたい。弊社がこれまでにタイで立ち上げた合弁子会社は5社。そのたびに事業は拡大を続けてきた。まだまだ続くであろう日系企業のタイ進出。さらなる合弁事業にも積極的に取り組んでいきたい。

KANSEI CO., LTD.
住所:3300/114-115 22nd Flr., Elephant Tower (B) Phaholyothin Rd., Chomphon, Chatuchak, Bangkok 10900
電話:0-2937-3381~4 ファクス:0-2937-3385~6 Eメール:kanseijp@kansei.co.th
ウェブサイト:http://www.kansei.co.th/jp/
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